恒例の夏の長期体験村の募集が始まっています。今年は、7月上旬から学校団体の受け入れがあるので、スタッフにとっては2ヶ月半に渡る夏本番です。 黒松内ぶなの森自然学校の役割の大きなひとつに、野外自然体験活動が企画実施できるディレクターの養成があります。 今年も新人チーフディレクター、ディレクター研修生達には「初出場、準優勝を目指す」意欲を持つように話し、実行にあたっては経験者達を布陣します。
今年は、すでに来年度以降の自然学校の運営のあり方までを視野に入れて、いつにも増して事前トレーニングをし、チームビルディングを行い、使命・任務を遂行するスタッフ達が自らのチカラをアップするために頑張っています。
ディレクターはプログラムを企画するだけはなく、実行するリーダーでもあります。しかし、野外自然活動は、参加者の個性、体力、経験、身体能力、天候、道具、人間関係など様々な要因に影響され、事前計画通りに進行できないことが、むしろ普通の出来事としてあります。ですから、プログラムを進行する際の、スタッフの配置と役割分担、参加者の動き、活動の段取りなどのイメージング(どのように進めるか、事態の変化に対応できるか等)が大切です。
また、プログラムの目標を定め、到達するためのProcess-making(プロセス・過程づくり)、今は目標に到達するためのどの位置にいるのか、それは何のためなのか、そして、次にすることは何で、それをいつやるのかを常に、実行現場では考えていることが大事です。
特にチーフディレクターは全体の進行責任者ですから、プログラムをいかに進行させるか常に状況を観る、そして次場面へと展開するための判断をし決断を続けなければなりません。その時、このプロセスメイキングができていないと、実行リーダーとして、他のスタッフへの指示がぶれます。
私が、リーダー達によく言うことは・・・、
「段取り」
「プロセスを読む」
「言葉に出す前に、瞬間立ち止まって瞬時に考えてから(シュミレーション)話す、指示する」
チーフディレクターは、リーダーでもあるディレクター達を束ねる責務あるリーダーです。プログラムを進行してゆかなければなりません。しかし、プロセスが見えてくると、ややもすると、人に任せるよりも自分でやった方が早いので、細かな作業を自らやってしまう傾向があります。 これでは、一番大切な「状況の判断と実行の決断」がし難くなります。
長期体験村は小中学生が参加者となり、スタッフは年代も高校生から60代まで、海外からのボランティア・インターンシップの学生が多数いる、多い時は50名もの合宿形態の生活体験プログラムです。チーフディレクターは自然体験プログラムだけでなく、集団生活にも起こる様々な事態に対して、次から次へと判断し決断をしつ続けなければなりません。とても大変な役割です。 そのリーディングには、相当な力量が必要です。
リーダーは自分で率先してやって見せて、みんなを引っ張る必要もあります。 が・・・、リーダーのすべき最も重要な仕事は「判断決断」です。それができるようになるためには、スタッフ各員の個性や仕事力を観て、診て、看る必要があります。そのうえで、大小の仕事とそのミッション・使命を与ええつつ、スタッフを育成することが、質の高いプログラムを生み出すために必要不可欠です。
そして、忘れちゃならないのは、仕事を与えた限りは、その責任もいざと言う時には引き取ることです。
と、書きつつ、改めて、このことを自らの肝に命じて、この夏を迎えている私です。
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