◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「影と 影の先を結ぶ」って?

2011-06-19 09:43:42 | 言葉についてあれこれ
                            いつもこうではありませぬ

 NHK Eテレで放送している子ども向けの番組で「影と 影の先を結ぶと東西になる」というナレーションがありました。森や野原など、屋外で、方位を示すものが何もないとき、方位を知るにはどうしたらいいかということなのですが、日時計の要領ですよ、想像してみてください。
 まず、地面に1メートルほどの高さの棒を立て、棒の影の先端に目印を置きます。しばらく待って、影の先端が20~30センチ移動したら、またそこに目印を置きます。そして、その二つの目印を結ぶ線を描いてください。それが東西を示す線になるということなのですが、想像したことと同じでしたか?
 私は、実をいうと、へえぇ~と感心しながらちょっと混乱しました。「影と、影の先を結ぶ」と聞こえたからです。画面を見ていましたから、「最初の影」と「移動後の影」、それぞれの先端に置いた目印どうしを結ぶのだということは分かっていました。それでも、え? どこを結ぶって? 「影」と「影の先」? 違うよね、「影」の「先」と「先」を結ぶんだよねぇ、と思いました。
 なんたってNHK Eテレですからね、おまけに子ども向けの教育番組ですからね、ちゃんと「影と影の、先を結ぶ」と聞こえるように言ってください。あるいは、「影の先と先とを結ぶと東西になる」と言ってもいいですが、正確に伝わるように話せるナレーターって、なかなかいないものですねぇ(ーー;)。
 「今でも紛争が再び起こらないように、○○軍は駐留を続けているのです」は報道番組で聞いたのですが、「今でも、紛争が再び起こらないように、○○軍は駐留を続けているのです」あるいは「紛争が再び起こらないように、今でも○○軍は駐留を続けているのです」と言ってください。だって、聞く側の理解力だってあやしいのですから。
 そういえば、別の子ども向け番組でも「いつも○○するときに大切にしていることは何ですか?」というのがいつも出てくるのですが(あ、これもNHK Eテレですけど、毎週見てますよ、けっこう面白いので(^^ゞ)、「○○するときにいつも大切にしていることは何ですか?」ですよね。
 講演やセミナーで話すことの多い人が「こういう事件に直面して私が考えることは、いつも日本人ならどうか」と言うのを聞いたこともありますが、どういう意味かというと、そのとき、チリの○○たちはこうだったけれど、これが日本人だったらどうだろうか、ということですから、「こういう事件に直面するといつも私が考えることは、日本人ならどうかということです」と言ってほしいものです。
 まだありますよ(~_~;)、「中から開けてもらっていつも入る」って、そりゃね、日本人なら分かりますよ、けどね、「いつも中から開けてもらって入る」でしょ、いつも何も考えないでいいかげんにしゃべっていると、ちゃんとしゃべらないといけないときにちゃんとしゃべれなくなりますよ~~~<( ̄д ̄)>。
 ところで、うちもやっと地デジ対応のために32型ブルーレイ・HDD内蔵液晶テレビにしたのですが、「ひつじのショーン」を見て感激しました。なにしろ画面の大きさが以前の4倍近いのですから当然といえば当然ですが、ショーンやビッツァーの微妙な質感に感動、洗剤の泡が小さな粒々だということに気づいて感動。それに、番組を録画しながら別の録画済の番組を再生できるなんて、もうとにかく感動的です(⌒・⌒)。

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