◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「大雪の恐れ」って?

2010-01-20 20:23:22 | 言葉についてあれこれ
                                    大雪の恐怖
 テロップ入力作業者が正しい漢字の使い分けをできなくてどうするのか?! と強く思う誤りの中で最近やたら目につくのがこれです。「死者は数千人に上る恐れ」「日本海側、大雪の恐れ」「運航が止まる恐れ」「罪証隠滅の恐れ」、一般の人でもこれを間違えている人は多いと思いますが、テロップすらこうなのですから、ますます広がります。もう取り返しがつかないかもしれません。やっぱり( ̄д ̄)ダラケッ!
 「恐れ」は、「恐れる」「恐怖」「恐ろしい」「恐縮」「恐れ入る」の「恐」であり、「死者は数千人に上るおそれ」「日本海側、大雪のおそれ」「運航が止まるおそれ」「罪証隠滅のおそれ」の「おそれ」とは違います。死者がもっと増えそうで心配だ、大雪になりそうで心配だ、運航が止まりそうで心配だ、証拠を隠滅されそうで心配だ、こういう意味のときは「虞」です。ただし、「虞」を「おそれ」と読める人はあまりいないので「おそれ」と書きます。
 漢字は、微妙な感じ方の違いを表現できる便利なものであり、見た瞬間、多くの情報を脳が受け取る、そういうとても優れたものです。覚えるのは大変ですが、義務教育期間中に勉強を怠けなければそこそこ身につくものですよね。ただ、漢字の使い分け、つまり、適切な漢字を確実に使うにはやはりちょっと勉強する必要があって、そもそも使い分けないといけないということをしっかり意識しないとできないようです。
 テロップ入力作業者に必要な技術であることは言うまでもありませんが、現実は・・・かなりお粗末ですね。テロップがいつも正しいと思ったら大間違い、鵜呑みにしてはいけないのですが、してるでしょうね( ̄ ̄)ムムウ。
 ところで、今シーズンは「大雪のおそれ」をもう何度も耳にしましたが、金沢もけっこう降って積もりましたよ。駐車場から車を出すのが大変です。雪の中から掘り出して、道路に出るまで何度も動かなくなって、いやはや、もう・・・、箸とマウスとハムやんより重いものはめったに持たないこの私の腕はもう筋肉痛で・・・(T_T)
コメント
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