◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「若者のかたに広がっている」って?

2009-05-10 09:32:59 | めちゃくちゃな敬語
                       ハムやんのかた
 ニュース番組だったか・・・、ひょいと「若者のかたに広がっている」というのが聞こえました。その瞬間、背中がゾクゾクッとして( ̄ ̄)・・・またですよ。風邪ではありませんよ、何というか、気味が悪いというか・・・、皆さんはどうですか?
 普通は「若者に広がっている」とか「若者の間で広がっている」とか言いますよね。「若者」は「年の若い人」という意味ですから、「若者のかた」だと「若い人のかた」? これも重複かな、「若いかた」ならいいですよね。そうすると、たまに聞く「高齢者のかた」も、本当は「高齢のかた」でしょうか。でも、「若者のかた」ほどの強い違和感はありません。はて、なぜでしょうか?
 以前、「加害者のかた」という例を挙げ、「加害者」に「かた」は合わないと書きましたが、「加害者」は「加害者」でいいですよね。とにかく丁寧に品良くしゃべっているように見せたいだけ、日本語としてどうなのか、適切な表現なのかということは全く考えない、「若者のかた」もそういう風潮のせいでしょうか? 報道バラエティ番組でレギュラー出演者の女優が「・・・でしょ、あのかた、かたじゃない、人」とかろうじて言い直したのですが、だれのことを話していたかというと、砒素入りカレーの事件で死刑判決を受けた人です。
 「かた」は「人」を尊敬して言う言葉ですから、尊敬する人、尊敬すべき人、目上の人、年上の人・・・に対してならいいのですが、若者ですよ、わ・か・も・の。通常、年長者が自分よりずっと若い人に向かって「若者」と言うわけで、その場合、「若者」に「かた」はありえません。「若者のかたに広がっている」と言った人はひょっとしてうんと若い人だったのか・・・だから「若者のかた」と言ってしまったのか・・・、ともかく「若者」に「かた」は合いませんよ。
 全く近ごろの若いもんは・・・( ̄н ̄)・・・ではなく、近ごろは若者ばかりか年長者の日本語までおかしいですからね、若者ばかりを責められません( ̄_ ̄)。
コメント
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