![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/08/869e7517fd9ee82ce2be3d2d969d836b.jpg)
NHK BSPで録画していた映画「十戒」を観ながら、激しさを増すハマスとイスラエルの戦争を思う。
キリスト以前の物語なので、歴史的には現在とは違うが、中東の揺籃期の宗教対立や民族間の軋轢などが主題なので、現下の戦争の激しさを彷彿とさせて考えさせる。
イスラエル建国を描いたドラマチックな映画「栄光への脱出」を思い出すが、ユダヤとイスラムの対立が、パレスチナで先鋭化して火を噴いている。以前に、サウジアラビアのリヤドで、提携会社の役員のパレスチナ人との会話で、不用意に、「occupied territory」という言葉を使って、30分以上も食って掛かられ、その怨念の深さを感じたことがある。
この映画は、旧約聖書の「出エジプト記」を題材にしたもので、モーゼが、奴隷として虐げられていたユダヤ人を率いてエジプトから脱出する物語を中心に描かれたスペクタクル巨編。
CGが無縁の時代なので、途轍もないスケールの大きな実写の迫力に圧倒され、正に見せて魅せる映画である。
特に印象深いのは、次のシーン。
跡継ぎの王子を失って怒りに燃えたラムセス王は、エジプト全軍を引きいて攻撃し、ヘブライ人達を紅海際まで追い詰める。モーセが神に祈ると、神は火柱を立ててラムセス軍の進攻を妨げ、紅海を真っ二つに割って陸地を開き、ヘブライ人たちをその海の中にできた廻廊伝いに対岸まで逃れさせる。暫くして火の柱が消えたので、エジプト軍がヘブライ人を追って廻廊へ突進すると、廻廊は海に戻り、ラムセスだけを残して全軍海の藻屑と化す。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/22/207f683f7508f7504c4a7609ff300943.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/72/091733898a0391846781213ffcb71635.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/91/ef02ba2b007d9c447b3e92859b6b1c5e.jpg)
さて、ユダヤ教の数ある祭日の中で最も人気のある祭日パスオーバー(過ぎ越しの祭り)だが、
このエジプト出国、奴隷であったユダヤ人がモーゼに導かれてエジプトを脱出し、自由の民になったことを祝う祭りであるが、幸い、私は、フィラデルフィアのウォートン・スクールでMBAの留学生であったときに、親しくしていたユダヤ人の学友ジェイコブス・メンデルスゾーンが、その儀式に招待してくれて、参加した。
1974年の話なので、殆ど忘却の彼方であるが、確か、「セーダ」と言う夕食会の冒頭に、長いテーブルの両側に親族の最長老を真ん中にして男性家族全員が、頭の上に「ヤマカ」と呼ぶ小さな帽子をかぶって整列し、最長老が、式のはじめを告げ、そのリードに従って参加者全員が英語の「ハガダ」を輪読した。私も、仲間に加わり、文章中に、ヘブライ語の特別な言葉があったのであろう、発音がおかしかったのか、ジェイの弟がクスリと笑ったので、良く覚えている。
インターネットで調べた「ユダヤ歳時記」では、
「セーダ」では、食卓には、定められた通りの順序や方法で飲んだり食べたりするワインやマッツァ〈種なしパン〉などが用意され、「セーダ・プレート」と呼ばれる特別の盆には、奴隷としての苦い経験を思い出させる苦菜〈西洋わさび〉、煉瓦作りの毎日だった当時を偲ぶ「ハローセス」〈りんごを刻んで甘いぶどう酒やシナモン、ナッツなどと混ぜたもの〉,塩水に浸して苦しみの涙を象徴するパセリ、かって神殿で捧げられていたいけにえの肉を代償する羊のすねの骨、春の訪れを象徴する焼いた卵などがおかれます。
と言うことだが、何を食べたか、全く記憶がない。
もう一つ、強烈に覚えているのは、家系図の存在。
式の後、ジェイの部屋に入って見せられたのは、この家系図で、クスノキのような一本の木が描かれた額絵が壁に掛けられている。
何の変哲もない平凡な絵なので気にもせず近づいてよく観ると、枝の先に小さな字で名前が記されている。
それぞれが塊になっていて、ジェイが、ここはアメリカ、ここはイギリス、ここはイスラエルと、それぞれの親族たちの故国を説明する。
図の真ん中あたりで、先が途切れて団子のようになって消えているいるところがあって、ジェイにこれは何だと聞いたら、ドイツだと言ってアウシュビッツなどのナチスの悲劇を語り始めた。
幹から先へと沢山の名前がビッシリと記させている中で、ジェイは、これが自分だと言って、先端の名前を指し示した。
ユダヤ人の知人友人との思い出が結構あるのだが、今の戦争でも、日本人の私には分からないような世界の法則なり力が働いているのであろう、
軽々に判断出来ることではないと思っている。
キリスト以前の物語なので、歴史的には現在とは違うが、中東の揺籃期の宗教対立や民族間の軋轢などが主題なので、現下の戦争の激しさを彷彿とさせて考えさせる。
イスラエル建国を描いたドラマチックな映画「栄光への脱出」を思い出すが、ユダヤとイスラムの対立が、パレスチナで先鋭化して火を噴いている。以前に、サウジアラビアのリヤドで、提携会社の役員のパレスチナ人との会話で、不用意に、「occupied territory」という言葉を使って、30分以上も食って掛かられ、その怨念の深さを感じたことがある。
この映画は、旧約聖書の「出エジプト記」を題材にしたもので、モーゼが、奴隷として虐げられていたユダヤ人を率いてエジプトから脱出する物語を中心に描かれたスペクタクル巨編。
CGが無縁の時代なので、途轍もないスケールの大きな実写の迫力に圧倒され、正に見せて魅せる映画である。
特に印象深いのは、次のシーン。
跡継ぎの王子を失って怒りに燃えたラムセス王は、エジプト全軍を引きいて攻撃し、ヘブライ人達を紅海際まで追い詰める。モーセが神に祈ると、神は火柱を立ててラムセス軍の進攻を妨げ、紅海を真っ二つに割って陸地を開き、ヘブライ人たちをその海の中にできた廻廊伝いに対岸まで逃れさせる。暫くして火の柱が消えたので、エジプト軍がヘブライ人を追って廻廊へ突進すると、廻廊は海に戻り、ラムセスだけを残して全軍海の藻屑と化す。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/22/207f683f7508f7504c4a7609ff300943.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/72/091733898a0391846781213ffcb71635.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/91/ef02ba2b007d9c447b3e92859b6b1c5e.jpg)
さて、ユダヤ教の数ある祭日の中で最も人気のある祭日パスオーバー(過ぎ越しの祭り)だが、
このエジプト出国、奴隷であったユダヤ人がモーゼに導かれてエジプトを脱出し、自由の民になったことを祝う祭りであるが、幸い、私は、フィラデルフィアのウォートン・スクールでMBAの留学生であったときに、親しくしていたユダヤ人の学友ジェイコブス・メンデルスゾーンが、その儀式に招待してくれて、参加した。
1974年の話なので、殆ど忘却の彼方であるが、確か、「セーダ」と言う夕食会の冒頭に、長いテーブルの両側に親族の最長老を真ん中にして男性家族全員が、頭の上に「ヤマカ」と呼ぶ小さな帽子をかぶって整列し、最長老が、式のはじめを告げ、そのリードに従って参加者全員が英語の「ハガダ」を輪読した。私も、仲間に加わり、文章中に、ヘブライ語の特別な言葉があったのであろう、発音がおかしかったのか、ジェイの弟がクスリと笑ったので、良く覚えている。
インターネットで調べた「ユダヤ歳時記」では、
「セーダ」では、食卓には、定められた通りの順序や方法で飲んだり食べたりするワインやマッツァ〈種なしパン〉などが用意され、「セーダ・プレート」と呼ばれる特別の盆には、奴隷としての苦い経験を思い出させる苦菜〈西洋わさび〉、煉瓦作りの毎日だった当時を偲ぶ「ハローセス」〈りんごを刻んで甘いぶどう酒やシナモン、ナッツなどと混ぜたもの〉,塩水に浸して苦しみの涙を象徴するパセリ、かって神殿で捧げられていたいけにえの肉を代償する羊のすねの骨、春の訪れを象徴する焼いた卵などがおかれます。
と言うことだが、何を食べたか、全く記憶がない。
もう一つ、強烈に覚えているのは、家系図の存在。
式の後、ジェイの部屋に入って見せられたのは、この家系図で、クスノキのような一本の木が描かれた額絵が壁に掛けられている。
何の変哲もない平凡な絵なので気にもせず近づいてよく観ると、枝の先に小さな字で名前が記されている。
それぞれが塊になっていて、ジェイが、ここはアメリカ、ここはイギリス、ここはイスラエルと、それぞれの親族たちの故国を説明する。
図の真ん中あたりで、先が途切れて団子のようになって消えているいるところがあって、ジェイにこれは何だと聞いたら、ドイツだと言ってアウシュビッツなどのナチスの悲劇を語り始めた。
幹から先へと沢山の名前がビッシリと記させている中で、ジェイは、これが自分だと言って、先端の名前を指し示した。
ユダヤ人の知人友人との思い出が結構あるのだが、今の戦争でも、日本人の私には分からないような世界の法則なり力が働いているのであろう、
軽々に判断出来ることではないと思っている。