日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

バブルのツケ

2011-11-09 20:01:21 | ビジネス
オリンパスが、大変なことになっている。
ご存知の方がほとんどだと思うこの問題、少しづつ明らかになってきたことは「コトの始まりがバブル崩壊からだった」というコト。

「バブル経済の崩壊」といえば、20年ほど前の話。
バブル真っ盛りの頃は、多くの企業が本業とは関係のない事業に手を出していた。
その多くが投資目的で、その当時は「本業だけに熱心な経営者は経営センスがない」様にいわれていた。
その中でもゴルフ場経営や不動産などが多く、バブル崩壊後はそれらの資産が不良債権となり、本業は順調なのに、バブル期に投資した事業で倒産した企業もあった。
この東海地域で言うと、「日東あられ」などが思い浮かぶ。

かつては、亀田製菓と並ぶあられやおせんべいの製菓会社として、全国的知名度もあった企業だった。
その「日東あられ」が、バブル期にゴルフ場などの不動産経営に乗り出し、バブル経済が崩壊後は本業である製菓部門の利益をつぎ込んでも、不動産部門の赤字を補填することができず、「粉飾決済」をし、刑事事件にまで発展。
結局は、サンヨー食品の支援を受け、製菓部門の建て直しを図ったが、今年新会社である「日東あられ新社」も廃業を決めた。

そんな経緯を知っていると、オリンパスの再建はとても難しいような気がしてくる。
オリンパスがバブル期に負った、負債の原因はいったいなんだったのか?というコトも、これから明らかになっていくと思うが、20年近くバブルのツケを先送りしたことで、そのツケは当初のツケとは比べ物にならないほどに膨れ上がってしまったのでは?と、想像するのだ。

オリンパス自体が持っている、光学技術というのはとても高いと思う。
世界で初めて「胃カメラ」を作ったのはオリンパスだし、私もお世話になっている「マンモグラフィ」などは、富士フィルムやペンタックスといったライバル企業とともに切磋琢磨した結果、海外でも評価されるほどのデジタル画像が撮れるようになってきた(と言っても、技術者+診断医の力量の確かさが必要ではあるが)。
世界的にも評価が高い光学技術を持っているだけではなく、それらの事業部門での収益はとても高いはずなのだ。
確かに、デジカメなどの事業は大変厳しい状態だとは思うが、それを十分にカバーできるだけの事業があるはずだと思っている。

とすれば、一体何による損失だったのだろう?
バブルのツケだとしても、それを隠し続けなくてはならなかった理由やその額がとても気になるし、すばらしい光学技術を持っていながら、倒産してしまうのでは?という心配もしている。
それにしても、20年間に及ぶバブルのツケの先送りは、様々な意味で大きすぎる気がする。