日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

今年のヒット商品と経済成長

2011-11-02 19:45:17 | トレンド
11月に入り、「今年のヒット商品」などの発表が相次ぐようにな季節になった。
今日は、「日経トレンディ」の「今年のヒット商品」の発表があったようだ。
それを見てみると、1位「スマートフォン」、2位「FaceBook」と、いわゆるネット関連の商品・サービスが上位にきている。
確かに、私の周囲を見ても「スマートフォン」所有率は高く、持っていないほうが肩身が狭い感がある。
当然のことながら、スマートフォン所有者の多くはFaceBookもやっている。
イメージ的にはFaceBookをするなら、スマートフォンは必須、という感じすらしている。
スマートフォンを持たず、FaceBookのアカウントは取得したが使いきれていない私などは、時代から取り残されている感すらある。

このベスト10に選ばれた商品を見てみると、「価格以上の価値」といわれる商品(「GOPAN」)があったり、半ば政府の思惑の商品(頭痛薬「ロキソニンS」)、新しい韓流アイドルをつくった(?)「マッコリ(テレビCMに起用されたのは、今韓流ファンのマダムの間で人気のチャン・グンソクさん。日本での愛称「グンちゃん」)」など、バラエティに富んでいるといえる。

しかし、スマートフォンなどは別にして、確かにヒット商品だが「社会全体を大きく変えた」というほどのヒットは無かったような印象がある。
確かに「GOPAN」などは、生産予定台数を予約時点で大きく超え、一時期家電量販店の売り場には「次回の予約開始のご案内」があった。
それほどのヒット商品ではあるが、「一家に一台」というほどではない。
いわゆる「高度成長期」のような、ヒット商品は生まれない時代だとというコト。

なぜこのような話をするのか?というと、「一家に一台」というようなヒット商品が生まれないほど日本の市場は成熟し、生活者がそれぞれのライフスタイルや価値観にあった商品・サービスを選ぶことが当たり前になってきている。
にもかかわらず、「経済成長」に関しては、「右肩上がり」を信じているという、変な思考がある、というコトなのだ。

確かに毎年話題になり、ヒット商品(やサービス)が登場する。
それだけを見れば、なんとなく「活気ある経済」という錯覚も起きそうになるが、経済発展目覚しい国々とはまったく違う消費行動の上での「ヒット商品やサービス」だということを忘れてはいけないのでは?
単純に「直感商品がヒットした」と、言い切れるほど単純ではないと感じるのだ。