日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

地域共存型の企業

2010-10-17 19:25:12 | ビジネス
以前、ネットで購入した靴屋さんから定期的にメールをもらう。
いわゆる「メルマガ」だ。
その靴屋さんは、ある意味とてもユニークな靴屋さん。
そして、阪神淡路大震災で大打撃を受けた、神戸市長田区にある靴屋さんだ。

ご存知の方も多いと思うのだが、長田区はいわゆる「ケミカルシューズ」と呼ばれる、合皮製の靴メーカーさんが沢山あったところだ。
中国をはじめとする安価な靴に押されていた時に、あの阪神淡路大震災があり、多くのケミカルシューズを製造していた会社が止めてしまった。

その長田が昨年話題になったのが、復興の証として誘致(?)した「鉄人28号」等身大鉄製模だ。
「鉄人28号」の効果もあって、最近長田に人が集まり出したというニュースがあった。

そんな長田で、靴工房を開きネット販売をしている小さな靴屋さんなのだが、「お友達の靴」として同じ長田で靴作りに励んでいる、同業者の靴もネットで販売をしていたりする。
それだけではなく、同じ神戸にある手作り石鹸の会社の石鹸も販売をし始めている。
時折頂く「メルマガ」には、「神戸セレクション倶楽部」という、神戸産業振興会の商品の案内があるときもある。
もちろん、振興会から認定されていなければショッピングサイトなどにバナーを貼り付けたり、「メルマガ」で紹介するコトはできないにせよ、「神戸」と言う地域全体で活性化するには?と言う、思いが伝わってくる。

私がこの靴屋さんが好きな(といっても、度々買うことは無いのだが)理由が、この「地域共存型発想」だからだ。
「自分たちだけ」と言うPRではなく、長田と言う震災で大打撃を受けた地域の一員として、長田地区全体を活性化したい!と言う、思いが伝わってくるのだ。
そして先日、「秋のイベント」の「メルマガ」を頂いた。
もちろん、名古屋から出かけるというわけにはいかないのだが、今回は長田駅近くのお寺で「ヨガ」体験があったり(もちろん、住職さんの法話もある)、神戸近郊でとれた野菜の即売会などが予定されているようだ。
案内を見るだけで、チョッとワクワクしてくる。

実は、名古屋の日泰寺の門前通りでも毎月このようなも催し「覚王山MAP」がされている。
こちらは、既に10年以上。
お寺の門前と言うお年寄りが集まると言う、イメージではない。
元々は、学生さんたちが主体となって始まったイベントだったと記憶しているのだが、今では「月縁日」のようになり、若い人たちで賑わうようになり地域の活性化に一役買っている。

大きく違うのは、企業参加という点だろう。
「企業のグローバル化」といわれはじめて、随分時間が経つ。
でも、「グローカル化」と言う、企業の生き方もまたあるのではないだろうか?

地域興しのブランド米より・・・

2010-10-16 14:13:06 | ビジネス
そろそろ、新米が美味しい季節になった。
「米食離れが進んでいる」とはいえ、やはりこの季節ピカピカの新米は、比べ様も無いほど美味しい。
私が「お米好き」なトコロもあるのだが、美味しいご飯とお味噌汁、美味しい漬物があればし幸せ感がある。

最近では、地域興しのために自治体独自の「ブランド米」作りが盛んになってきている。
ここ愛知県では、「あいちのかおり」と言うブランド米がある。
個人的好みから言えば、チョッと・・・(大汗)。
いずれにしても、お米にはこだわりのある人が多いのでは?

そんな夕餉のしたくをしながら、フッと思ったことがある。
最近の健康ブームで、白米よりも玄米などを食べる人が増えてきている。
ただ、玄米そのものはご飯として食べるには、チョッと好き嫌いがある。
私なども玄米は苦手だ。
そんな人たちに人気があるのが、「雑穀ご飯」と呼ばれるモノだ。
白米に、ヒエやアワ、アマランサスといった雑穀だけではなく、黒米や赤米、押し麦やゴマ、発芽玄米や豆などを加えたご飯である。

「雑穀ご飯」の魅力は、白米のような感覚で食べやすく、玄米以上の様々な栄養やミネラルが摂れるコトだ。
オーガニックレストランなどでも、玄米よりも雑穀ご飯の方が人気があるのではないだろうか?
その人気の雑穀だが、その多くは輸入品だ。
アマランサスのように、南米原産の雑穀などはともかく、ヒエやアワなども輸入に頼るようになってきている。
その昔、アワやヒエは米が獲れないトコロで作る、お米の代替品と言う状況ではないようなのだ。
まして「アワ・ヒエ=鳥のえさ」と言う時代でもないようだ。
そんなコレまでのイメージとは裏腹に、「総て国内産雑穀」となると、価格が一気に上がってしまう。
言い換えれば、今や国内でも雑穀が作れるような状態ではなくなってきているのだ。
 
そんな雑穀米のパッケージを見ながら、「減反で大変な農家さんたちは、何故、美味しいご飯のための、雑穀を作らないのだろう?」と、疑問の思ったのだった。
少なくとも黒米や赤米などは、減反政策の対象とはならないはずだし、ある程度生産者が自由に価格設定ができるのでは?と、考えたのだ。

流行りのチョッと洒落たつくりのお米屋さんに行くと、「お米屋さんが勧めるお味噌や、醤油」などが販売されている。
もちろん雑穀も、一緒に置かれている。
ならば人気の無いブランド米をつくるより、お米のプロである米農家とお米屋さんが協同して「雑穀米」を作っても良いのではないだろうか?
それを、「産地限定オリジナル雑穀」として、販売するのも悪くないのでは?

美味しいご飯を頂きながら、そんなコトを考えてしまった。

金曜日は「自分にご褒美」-週末商品-

2010-10-15 12:49:25 | CMウォッチ
夏ごろから、始まったテレビCMに気になるモノがある。
それが、サントリーの「プレミアムモルツ」の「プレモルの日」だ。
テレビCMでは「1週間お疲れ様でした。金曜日はプレモルの日」という、ナレーションが入る。
普段は、発泡酒や第3のビールで晩酌をしているお父さんも、週末前の金曜日の晩酌は。「1週間、一生懸命仕事をした自分に、ご褒美ビールはいかがですか?」と言う提案だ。

現実には、「1週間の自分ご褒美ビール」と言う方は余り多くないかも知れない。
ただその「ご褒美ビール」と言う、提案はどこかホッとする。
テレビCMそのものは売るためのモノだが、「そうだ、今日は自分にご褒美」と言う気持ちの余裕が持てる時間があるとすれば、明日への力が湧くだろうし、その余裕がクリエイティブな発想の原動力となるだろう。
むしろ、大切なコトはその気持ちの余裕なのではないだろうか?

「1週間、一生懸命仕事をした方へご褒美」と言う点では、今月になってから新しく始まった花王の「マイクロバブ」のCMも「1週間の疲れを、いつもの入浴剤よりもチョッと違う入浴剤で癒しませんか?」と言うアプローチをしている。
どちらかと言えば、こちらは女性向けに作られたCMのようだ。

実は最近、「お風呂で(スキン)ケア」と言う商品が増えている。
例えば、お風呂のお湯で美容マスクを温め、入浴しながら美容パックをすると言う商品や、ゲルシートの美容マスクをお風呂でした後、湯船で溶かして体もふっくら・ピカピカ!と言う商品もある。

コレまであったお風呂で使うスキンケア商品というのは、お風呂でメイク落としという、時短(?)商品だった。
お風呂でゆっくり自分のために体と心を癒す、と言うアプローチは少なかったように思う。

世知辛い世の中だからこそ、週末くらいはチョッと贅沢に自分の体を癒し、ご褒美ビールくらいは必要なのではないだろうか?
そんな「週末商品」が、人気を呼びそうな気がする。



補助金頼みって・・・

2010-10-13 17:04:05 | ビジネス
9月末までの予定だった、「エコカー補助金」は予算の関係で9月上旬で打ち切られた。
そして、今度は「家電エコポイント」の内容が大幅に見直され、地デジテレビなどはだいぶ外れる機種があると言う。
見直し理由は、「エコカー補助金」同様、予算の関係だ。

この「家電エコポイント」は、地デジ対応テレビの販促も兼ねていたような効果があり、「いずれ買い換えるなら、この機会に・・・」と言うコトで、テレビの買い替え需要を早めた。
今回の対象機種の見直しで、駆け込み需要があるかも知れない。

ただ、このような「補助金頼みの景気対策って、どうなのだろう?」と言う、疑問がある。
確かに「補助金」がある間は、モノが売れる。 
特に今回対象となったクルマや家電は、裾野の広い産業というコトもあり、一時期的需要の高まりであっても、関連企業にとっては大きな恩恵となる。

それは十分わかるのだが、そのお金の出所は?というと、税金か国債と言う国の借金になるのではないだろうか?
一時的に、税金や国債を発行して何とかヤリクリをしても、それ以上の税収が将来的に見込めれば問題は少ないと思うのだが、今の日本の経済状況を考えると疑問だ。
「国債という借金が借金を生む」と言う状況になりかねないのでは?と言う、不安が個人的にはある。

とすれば「補助金頼みの景気対策」では、根本的な景気対策にはならないのではないだろうか?
経済界に対策を押し付けるわけではないのだが、輸出依存体質からの脱却と言うコトは随分前から言われていながら、遅々として進まず・・・。
何となくだが、日本の社会全体が個人に対しては「自己責任」と言う厳しいコトバを投げつけるのに、産業界とか経済界と言った大きな団体となると甘いような気がするのだ。
もちろん、その理由の一つが政党支援団体という側面を持っているからなのだが、このような状況は産業界や経済界にとって決してプラスだとは思えないのだ。
むしろ、産業基盤や経済基盤の弱体化を促進する結果となってしまっているのでは?

書店のベストセラーリストの中には、「断捨離本」と呼ばれる本が上位にある。
「自分にとっていらないモノを断ち・必要の無いものは捨て・モノの執着から離れる」と言う提案だ。
極端なコトを言えば、生活者のライフスケールが小さくなりつつあるとも考えられる。
そんな中、高度成長期のような発想で産業や経済の在り方を考えていては、難しいのでは?

そろそろ「補助金頼み」ではない、生活者の意識変化を見た企業発想が必要な気がするのだ。

ちなみに、お恥ずかしい話だが、我が家には「なかなか捨てられないモノで溢れ返っている」ため、新しいモノを買う気が余り起きない・・・と言う、事実もある。

使い捨てから繰り返し

2010-10-12 19:20:03 | トレンド
昼間の暑さはまだまだだが、朝夕の涼しさに季節を感じる。
残念ながら、連休前の雨でご近所の金木犀が散ってしまったのか?それまでは、独特の香りが夜気のなかに感じられた。

買い物に行くと、並べられる商品も秋・冬向け商品が中心になりつつある。
と言っても、今年は猛暑にも関わらず「鍋つゆ」が売れたと言う話もある。
冷房をガンガンに効かせ、汗をかきながら「夏鍋」を楽しむご家庭が多かったらしい。
そう言っても、「鍋」と言えばやはり冬のモノ。
ここ数年、毎年のように新しい味の鍋つゆが登場してきたが、今年は「トマト味」が登場している。
「トマトポン酢」や「トマト鍋つゆ」程度は、何となく味の想像がつくのだが「トマトすき焼きのたれ」となると・・・???

そんな新しい商品が、他にも登場している。
「使い捨てないカイロ」だ。
サンヨーの「エネループカイロ」ではなく、保冷剤を使ったカイロだ。
「保冷剤」と言うのにはチョッと抵抗があるのだが、パッケージを見る限り「冷凍庫で冷やせば、保冷剤として使える」とあるので、一応「保冷剤を利用したカイロ」と言う説明が一番わかりやすいと思う。

使い方としては、レンジで温め専用のケースに入れ使うと言うモノ。
考えてみれば、今まで何故このような商品が無かったのか?と思えるほど、シンプルな商品だ。
取り立てて、カタチに特徴があるわけではない。
夏場一般的に使われている、保冷剤と同じ形状のモノ。
「夏使えるモノを冬にも使う」と言う感じだ。

実は、この春私も保冷剤を熱湯で温め(水から入れて沸騰後5分程度温める)、タオルで巻いて使っていた。
と言うのも自宅の冷凍室にケーキなどを買ったときにもらった保冷剤が沢山あり、冷え性を解消するために、実験的にやってみたのだ。
そうしたら、とても具合が良く肩こりやお腹の冷えが若干解消したのだった。
その経験から、そろそろ「保冷カイロのシーズンだな・・・」と思っていたときに、見かけたのだった(ケーキなどに使われている「保冷剤」は、電子レンジで温めるのは避けたほうが良いようですので、止めてください)。

新商品と言うのは、案外このようなトコロから生まれているのかも知れない。
「より、エコに」と言う考えから、「使い捨てから、繰り返し使う」と言う商品が増えてきた。
「エネループカイロ」も、その様な商品の一つだ。
それよりももっと、身近なモノを使って繰り返し使う・・・そんな発想が、既存の商品に新しい使い方の発想になっているようだ。




永遠の少女でいたい?

2010-10-10 18:47:26 | ライフスタイル
最近、女性雑誌の表紙を見ていて気が付くことがある。
それは「女子力」とか「大人の女子力」といったコトバだ。

「女子力」と言うコトバに違和感が無いわけではないが、それよりも違和感があるのが「大人の女子力」だ。
コレまで「女子」と言うコトバが使われる場面は、限られていた。
男子学生に対する女子学生や、男子社員と女子社員、場合によってはトイレの表示だ。
すなわち「女子」と言うコトバが使われる時は、多くの場合「男子」と言う対となるコトバがあってのコトバだったのだ。

それが、昨年あたりから女性雑誌で見かける様になってきた「女子力」と言ったコトバは、対となる「男子力」と言うコトバは無い。
「無い」と言うよりも、必要としてないのだ。
なぜなら、「女子力」とか「大人の女子力」には、「いつまでも少女の様な、若くてキュートで可愛い」と言う意味を含んでいるからだ。
「若々しい」のではない、「若い」と言うトコロがポイントなのだ。

このようなコトバが溢れる雑誌の表紙を見ていると、今の女性の生活思考だけではなく、ライフヴィジョンのようなモノが、大きく変化してきているのでは?と、感じる。
元々日本女性の志向として、「非成熟」と言う指摘がされてきた。
それは女性と言うよりも、男性のほうが強いのかも知れない。
だからこそ、女性が「非成熟」志向になっていったのかも知れないのだが、最近の傾向は男性目線ではないと言う点が、大きく変わってきているように思うのだ。

「いつまでも、少女のように若くキュートで可愛い自分でありたい」と言う、気持ちを一言で言い表すのが「女子力」と言うコトバなのだ。
「非成熟女性宣言」と言っても、過言ではないのかも知れない。
今の多くの女性にとって「成熟した女性」と言うのは、「人生にくたびれたオバちゃん」であり、「自分らしい生き方ができない、制約された生き方を強いられている存在」と言う意味になりつつあるのでは?と言う気がするくらいなのだ。

ただ、この「女子力」と言うコトバが頻繁に見られるコトに、やや不安な思いもある。
それは、「大人になりたくない=社会的責任を取りたくない」と言う、潜在的意識もあるのでは?と言う点だ。
「社会的責任」と言っても、それほど大それた意味ではない。
「世間力」と言ったほうが分りやすいかも知れない。

女性がいつまででもキレイでいることは、社会としては平和で豊かな現れだと思う。
でも、いつまでも少女のような立場でいる訳にはいかない。
今「大人の女子力」に熱心な世代の女性たちこそ、「素敵な成熟した女性」を体現して欲しいと思うのだ。
彼女たちの素敵な姿が、若い世代のお手本となっていくのだから。


VOGUE NIPPON側からコメントが無いのは、なぜだろう?

2010-10-09 13:58:26 | 徒然
現在発売されている「VOGUE Nippon」11月号に掲載されている、写真が今問題になっている。
問題となっている写真と言うのは、蓮舫行政刷新大臣が国会議事堂で撮影したものだ。

この問題で、蓮舫行政刷新大臣が陳謝したりしている。
蓮舫行政刷新大臣が、陳謝をし反省の弁をするコトに、違和感は無い。
国会議事堂という場所では、商業雑誌の撮影自体禁止されているようだからだ。
ただ、自民党の片山さつきさんも、以前ファッション誌に国会議事堂で撮影をした経験があるらしいと言う話から察するに、厳密に禁止されているのかは???ではある。

確かに、雑誌の撮影クルーが大勢で押しかけて、国会議事堂で写真撮影をすると言うのは、周囲に迷惑が掛ることだと思う(撮影は休会中に行われたようだが)。
そのために「コーディネーター」と呼ばれる、撮影場所を探したり交渉したりする人がいるのだ。
もちろん、取材対象者(今回の場合は蓮舫さん)自らが撮影許可を取るようなことはさせない。

それが高級ファッション誌として、実績のある「VOGUE NIPPON」が、そのような基本的なコトを怠ったとは思えない。
思えないと言うより、基本的なコトを確認せずに撮影をしたとすれば、蓮舫さんよりも問題だと思うのだ。

ところが、今回の件に関してVOGUE側からは何のコメントも出てきてはいない。
撮影に関しても、著名なファッションフォトグラファーを起用しているコトを考えれば、それなりの準備期間があっての撮影だったはずだ。
個人的には、蓮舫さんのコトよりもそちらのほうが気になるのだ。

一部国会議員さんの中には、蓮舫さんが着用している服が高級ファッションブランド品で、140万位しており、今の社会状況には合わないと言う指摘をされる方もいらっしゃるようだが、多くの場合は「レンタル」なのだ。
と言うよりも、衣装提供をしたブランドからすれば、良い広告宣伝なのだ。
蓮舫さんが、自腹で買ったモノではないだろう。
そんな指摘をするために、衣装の値段を調べる時間があれば、もっと他のことに時間を使っていただきたい。

それにしても、蓮舫さんの国会写真よりも、もっと重要なコトがあるんじゃないの?国会議員の皆さん。
そして追求をするのであれば、もうひとりの当事者である「VOGUE NIPPON」の関係者を呼ぶべきだと・・・。
こんな問題をサッサと片付けるためにも、「VOGUE NIPPON」側から何らかのコメントを早く出して欲しいモノだ。

家鍋にファミリーパックアイスと言う関係

2010-10-08 12:53:40 | マーケティング
近所のスーパーマーケットに買い物に行った時、「オヤ?」と思うパッケージを見かけた。
それが、ファミリーパックのアイスクリーム(正しくは「ラクトアイス」)だ。
パッケージには、「お鍋には、○○(「○○」は商品名)」と書いてある。
「お鍋とアイス?」と気になって手にとると、パッケージの裏にはお勧め鍋料理のレシピがある。
と言っても、アイスを使う鍋レシピではない。
「美味しい家鍋を食べた後は、冷たいアイスで楽しいひと時」と言うのが、キャッチコピーの目的であり、パッケージの裏のお勧め鍋レシピなのだ。

実は、ココ3、4年ほど何気なく増えている、お菓子の販促策がある。
それは、お菓子をそのまま食べるのではなく、他のお菓子の材料として使う「レシピ」を書いたチラシだ。
私などもこの「レシピチラシ」を基に、チョッとアレンジお菓子を作ったりしたりしている。

「お菓子」と言う市場は、基本的には子どもを対象にしていると、考えられる。
しかし人口構成図を見るまでも無く、「少子化」の傾向は止まる気配が感じられない。
と言うコトは、コレまでのように「子ども」を対象に「お菓子」と言う市場を考えていては、限度があると言うコトになる。
そこで考えたのが、「お菓子」を一つの素材として提案し、大人を市場に取り込むと言うコトだ。
ポテトチップスなどの「ディップソース」レシピなどは、その典型だろう。
おやつとしてのポテトチップスではなく、チョッと洒落たお酒のつまみとしての提案だ。

ところが今回は、家鍋レシピを掲載するコトで「家族でアイスクリームを食べよう」と言う、違う視点での提案なのだ。
どちらかと言うと、直接的な提案と言う感じだ。

確かに、冬場はアイスクリームを食べる機会は減る。
「湯上りのアイスは格別」と言う方もいらっしゃると思うが、やはりアイスクリームは夏場の食べ物だろう。
まして、ファミリーパックのアイスとなれば、食べる主役は親ではなく、子どもと言うコトになるのでは?
言い換えると、冬場はアイスクリーム市場のシーズンオフなのだ。
そのシーズンオフにも、何とか売上を伸ばす策として考えたのが、「家鍋にアイス」だったのではないだろうか?

「家鍋」と言う家族が揃う食事は、どこか和やかでほっこりしたイメージがある。
何よりも、最近流行りの「家鍋」には「汗をかきかき」と言うタイプの鍋料理が多い。
そんなコトも、「汗をかきかき、熱い鍋」を「和やかにほっこり」食べた後は、冷たいアイスでクールダウン、と言うイメージを描きやすいと、考えての提案だろう。

もしかしたら、この冬は「熱々家鍋の後はアイスクリーム」が流行するかも知れない。





ノーベル化学賞に思う

2010-10-07 11:48:34 | アラカルト
昨日、ノーベル化学賞に根岸英一パーデュー大特別教授と鈴木章・北海道大名誉教授北海道大学のお二人が、日本人として受賞した。
とても喜ばしいことだと、素直に思う。
ただ気になるのは、メディアなどで盛んに「ノーベル化学賞=日本のお家芸」的な表現をしていることだ。

日本の学生の「理科離れ」が言われるようになって、随分経つような気がする。
私は物理や化学が、大の苦手科目だった。
とにかく、覚えることが多すぎて、化学式のような関係性みたいなトコロまでの理解ができなかった。
物理については、数学そのものが苦手だったので言わずものがな・・・。

それでも、小学生の頃はさほど苦手意識は無かったように思う。
それは、実験があったからだろう。
学年が進むにつれ、実験は無くなり覚えることばかり増え、数式を解くか暗記のどちらかが授業の中心になり、次第に理系から離れていったような気がする。

今の理系に対する教育は、どうなっているのかは知らない。
ただ随分前にテレビで見た、印象深い光景がある。
それは、学校では理科の実験を行わないため、学習塾で理科実験を行っている、と言うレポートだった。
「コレでは、理科離れが起きても仕方ない」と言うのが、その時の感想だった。
「実験」そのものは、とてもワクワク・ドキドキするモノだからだ。
理系へ進学する生徒たちは、おそらくその「実験」のドキドキやワクワクを忘れずに、探求するコトができるのだろう・・・と、思ったことがある。
しかし、今の日本にはそんな教育環境となっているのだろうか?

もう一つ思ったことは、研究が発表され実用化されてから、20年以上の歳月を経ての受賞と言うコトだ。
化学賞の前に発表された医学生理学賞でも、今では当たり前となっている「体外受精」に対して賞を贈られている。
30年以上も前の研究・成果に対して。賞が贈られたというコトになる。
とすれば、iPS細胞の京大・山中教授の受賞は随分先のコトになりそうだ。
言い換えれば、「日本の得意分野」は、長い時間を要して初めて評価されるモノでもあるのだ。
しかし、今の社会や企業が追い求めているのは、早急な結果と成果ばかりのような気がする。

「理科離れ阻止!」を訴える研究者さんたちは多い。
本当は、短期的な成果や結果ばかりを追い求める社会や企業が、もっと長期的視点に立って研究者を支援するコトが、理科離れを減らすことになるのでは?
そして、中学生くらいまでは実験中心の授業を増やし、実験をする過程で「なぜ?どうして?」という疑問を考えさせ、自分で答えを導き出させるような教育が必要なのでは?
それが、親の収入格差によって子どもの学習格差とならない様に、配慮される必要もあると思う。





田舎と自然=新しい産業資源となるか?

2010-10-05 14:22:24 | ビジネス
先日、一部新聞に「山陰海岸、世界ジオパークに認定」という記事が、掲載されていた。
「ジオパーク」というコトバも意味も知らなかったのだが、どうやら「地質遺産」と訳されるモノで、この「世界ジオパークネットワーク」に認定されると、別名「世界地質遺産登録」というコトになるようだ。

この記事を読んだ時、「このエリアは、クルマではなく電車でガタゴト揺れながら、車窓から景色を眺め、フラリと電車を降りて、周辺地域を歩くと楽しいトコロなのにな~」と、思ったのだった。
そしてできれば、もっと足を伸ばして、山陰本線全線をのんびり電車に揺られながら旅をして欲しいな~と。
と言うのも、この「ジオパーク」に認定された光景を楽しむためには、クルマよりも電車のほうが格段に便利で、快適だからだ。

と同時に、このような「グリーンツーリズム」は日本国内よりも、欧州の人たちにとって魅力的なのではないだろうか?と思うのだ。
関西空港から、電車に乗り換え、山陰本線を利用すると言うのは、とても時間がかかる。
コレまでの「観光旅行」と言う発想であれば、魅力的な部分は無い!といっても良いだろう。
むしろ、そのマイナスと思われる点を、発想を変えることで新しい地方の産業資源となるのではないだろうか?と言うコトなのだ。
大都市では感じられない、ゆったりとした時間の流れと自然景観、何よりも日本の原風景に出会える「グリーンツーリズム」となるのではないだろうか?
そのためには、バカンスが長い欧州の人たち向けなのでは?と、考えるのだ。

それだけではなく、このような「グリーンツーリズム」を考えるのであれば、関西空港がある大阪やJR、地域内の自治体や観光組合など、様々な人たちが関わらなくては難しい、と言う点もマイナスではなく、プラスになるのでは?と、考えられる。
様々な立場の人が多く関わるというコトは、言い換えればそれだけの地域・自治体に対して経済効果が相互的にあるのでは?と、思うからだ。

拙ブログでは何度も書いているのだが、地方は「ミニ東京」を目指す必要はない。
工場誘致や公共事業が、地方の経済を活性化するという時代でもない。
むしろ、地方に行くと工場誘致のために整地したが、誘致に失敗した更地(というよりも雑草が茂った土地)が至る所で見かけられる。
耕作放棄地も目立つ。
しかし、そのような地域が「ジオパーク」に含まれることによって、「観光地としての農村=日本の原風景」という発想も生まれるのではないだろうか?
もちろん、「観光地としての農村」では農業経営は難しいだろう。
だが人が集まることで、「農村」が第6次産業化するキッカケとなるのでは?
それがまた、豊かな日本の食文化の紹介となれば、その意味は大きいと思うのだ。

個人的には、この「ジオパーク」のエリアに、私の実家がある米子市や松江などが含まれていないことが、とても残念に思っている。
大山から見る弓ヶ浜はとても綺麗だし、歴史的史跡も多く出雲~山口にかけての海岸線も変化に富んでいて、面白いのに・・・と。