日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

本当に、大丈夫なのかな~?-アメリカ産輸入牛肉-

2005-10-25 20:42:31 | ビジネス
BSE問題で、輸入停止となっていたアメリカ産牛肉が12月にも再開されるかも?しれない。
毎日食事を作る立場から言えば、「本当に大丈夫?」という疑問だけが残る。
そんな時、讀賣新聞の社説を読んでやや驚いた。
これまで日本がこだわってきた「全頭検査」は、「世界で実施されていないから、諸外国からから理解されない」的な論調や、牛肉の輸入再開が遅々として進まないから、日米関係に悪い影響を及ぼしているのではないか?という指摘。
どのような方が書いているのか知らないけれど、それって違うんじゃ・・・。

確かに、アメリカは牛肉の輸入再開に対して相当の圧力を仕掛けてきていた。
その背景にあるのは、日本からの輸入が減ったことでアメリカの畜産農家が「何とかしてくれ」と、政府に泣きついたからだろう。
でも、だからといって「日本国内における食の安全」にまで、口を出しては欲しくない。
アメリカの畜産農家自身も、「日本の基準が厳しいのなら、その基準に合わせるだけの客観的検査や、飼育の公開」をすればいいだけのことなのだ。
何も、日本がアメリカの基準に合わせる必要などないはずなのだ。

こういうアメリカの態度を見ると、思い出すことがある。
それは、「バーガーキング」の日本進出失敗だ。
「バーガーキング」というのは、アメリカへ旅行したことのある人なら、有名なハンバーガーチェーン店ということは、よくご存知だろう。
この「バーガーキング」、実は以前日本に進出をし早々に撤退をしている。
「バーガーキング」が、日本進出を決めた理由は「マックドナルド」の成功にある。
「日本人にもハンバーガーを食べる習慣があるのなら、大丈夫だろう」と思って、進出をしたのだが、ものの見事に失敗。
その理由は、「アメリカンスタイル」にこだわったからだ。

例えば、ハンバーガーの大きさ。アメリカのスタンダードサイズは、日本人にとっては大きすぎる。
厨房などの作りも、アメリカ仕様のモノをそのまま持ってきたために、実際作業をする日本人にとっては、使いにくい。
ところが、実際そのようなトラブルが起きても「これが、バーガーキングのスタイルだ」ということで、押し通してしまった。
結果、あっという間に撤退を余儀なくされるのである。
「マックドナルド」が、日本で成功したのは「日本人に合わせた」からなのだ。
もっと簡単に言えば、「お客様のニーズを、キチンと理解し、提供」したから。

では、今回のアメリカ産牛肉の輸入再開。
どう見ても、アメリカサイドの「ごり押し」という感じにしか思えない。
「アメリカの手法が正しい」という考えが、最初にあるのだから仕方ないのかも知れない。
これでは、「食」と「家計」を預かる主婦は、たまったものではない!
確かに安い牛肉は、「家計にはやさしい」が、家族の健康を考えたら「我慢」という選択をするだろう。
その「日本人の生活者の意識」が、分からないのがアメリカの畜産業団体であったり、それを政治問題としてしまっているアメリカ政府や、および腰になってしまった日本政府なのではないだろうか?
これで、アメリカ産輸入牛肉の消費が伸びると思っているとしたら、日本の生活者を侮っているということでしょう。
とにかく大切なことは、日本市場がNO!ということだと思いますね。

「ビジネスの基本から、関係者のみなさんやり直し!」というのが、私の感想だ。