日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

NPOという生き方

2005-10-24 08:56:32 | ライフスタイル
二日間のお休みをいただいた。
「秋眠、暁を覚えず」週間の週末を、たっぷり?と過ごさせて頂いた。

とは言うモノの、実は昨日以前拙ブログで書いた「NPOバンク」の話を聞きに出かけていた。
「NPOバンク」というのは日本では馴染みがないが、海外ではポピュラーな存在のようだ。
その存在が、地域であったり社会生活の中でしっかり根付き、一般銀行とは違う利用のされ方をしているのだ。
例えば、ドイツの「GLSコミュニティー銀行」はシュタイナー学校設立を目的とた生協組合が作った銀行。
イタリアの「倫理銀行」(注意!PDFファイル)は、融資条件に「武器製造や輸出、性産業などに関わっていないという証明書を提出する」というモノがあったり、融資を受けたあとでも「VARIメソッド9」というメソッドを実践しなくてはならないという。
アメリカなどでは「コミュニティー銀行」が、年間200行近く増えている。

ところが、日本では都市銀行はメガ・バンク化し、信用組合などはなくなってきている。
日本の信用組合の活動そのものが、余り理解されていなかったり、紹介されていないため、いくつかあった不祥事のイメージが強いという現実があるのだが。
でも日本には昔から「互助会制度」のような、社会システムがありそれがカタチを変え「NPOバンク・コミュニティーバンク」になっていく素地があるはずなのだが、「経済優先」という発想と、監督官庁が積極的ではないという現実が、それを阻んでいるようだ。

この「経済活動」に、背を向けているイメージのある「NPO」という活動だが、決してそうではない。
「非営利の経済活動」ということなのだ。
「非営利だから、儲けが要らない」のではない。
「非営利だからこそ、儲けが必要」なのだ。
それは、「社会へ還元するために必要な儲け」ということ。
だが、どうも日本での受け止められ方は「無償の奉仕」となっているのは、ある意味残念な気がする。
というのも、今現在問題になっているNEETなどの職業訓練の受け皿となる可能性もあるだけではなく、2007年問題とも言われる「団塊の世代の定年退職」後の人材活用と言うことも、考えられる。
これまでの「シルバー人材センター」等での活動の多くは、「園芸」等の趣味の延長となる軽労働が主だった。
それが本当の人材活用なのか?といえば、むしろ「お年よりだから、これくらいの仕事が適しているだろう」という一方的な見方でしかない。
これからは「これまでの社会経験、企業人としての経験を活かす」ことが、必要となっていくのではないだろうか?
何よりもNPOには、「新卒」も「定年退職」もないのだ。

様々な経験をもつ人や、夢を持つ人たちが持ち寄って「自分たちの描く理想的な社会」を創るNPOという生き方も、LOHAS的なのかも知れない。

今回、NPOバンクを立ち上げたのは20代の若者が中心。
そして「環境、地域社会」ということに対して熱心に活動している「A SEED JAPAN」も、20代が中心。
「今世界にある貧困を知ってください」という、啓蒙活動資金集めを目的とした「ホワイトバンド」よりも、行動的であることには間違いないだろう。