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見直しが迫られる「カンバン方式」?

2011-05-30 17:16:17 | ビジネス
「東日本大震災」で、一つわかったことがある。
それは、東北地方が「基幹産業を支えていた」という事だ。
震災以降、トヨタをはじめとする自動車産業は減産を余儀なくされた。
他にも、家電メーカーの下請け・孫請けの中小企業が多かった。
「世界のあらゆる製造がストップするのでは?」と、懸念されたほどだった。

トヨタのお膝元というコトもあり、トヨタの減産は中部経済に及ぼす影響は大きい。
震災が理由だとしても、2万点以上といわれる自動車部品の製造に関わる企業が中部エリアだけに限らず全国的な規模であったことに、驚いたのも事実だ。
と同時に、トヨタが進めてきた「カンバン方式」という生産方式は、これから先も有効なのだろうか?と、指摘がされたのも事実だろう。

確かに、トヨタ方式と呼ばれる「カンバン方式」は、製造工程の中で必要な部品を必要数だけ発注することで、製造工程を行うトヨタの工場では在庫を持つ必要が殆どない。
その意味では、とても効率的で製造コストを意識した生産方法だといえる。
そしてその「カンバン方式」を、多くの製造企業がお手本としているのもまた事実だ。

ところが、今回の震災で部品の供給がストップするだけではなく、その後の下請け・孫請け(ひ孫請け)のフォローというか支援策などをしていないことに、被災地、非被災地の多くの下請け・孫請け会社が不満を持ち始めているようだ。
もし、この不満を解消するように海外の同業他社が手を差し伸べたら、いったい日本の基幹産業はどうなってしまうのだろう?
そんな不安が沸いてきたのだ。

確かにトヨタをはじめとする日本の基幹産業は、世界でも高く評価される製品作りをしてきた。
でもそれは、下請け・孫請け(ひ孫請け)という企業があってのことだ。
三角形の底辺のある企業を蔑ろにして、その頂点にある企業はこれまで通り安泰でいられるのか?
日本の高い生産技術を、やすやすと海外の企業へ渡してしまうのか?
そんなコトを、トヨタをはじめとする基幹産業の頂点にある企業のトップたちは考えているのだろうか?
それとも、「自分たちが仕事を発注しなくては、食っていけない」と、思っているのだろうか?
今まで「大丈夫」と思っていたことが、単なる「思い込み」に過ぎなかった、というコトがわかってきているのに?
だとしたら、とても甘い見込みのような気がする。

今、生活者の意識は大きく変わり始めている。
それは「安いモノ」ではなく、「日本を元気にさせるモノを購入したい」という気分だ。
そのためには、被災した下請け・孫請け(ひ孫請け)会社を支援し、積極的な生産活動をサポートするコトが、大切なのでは?
安易な海外移転生産は、生活者の理解を得られにくいのでは?
そんな、危機感を基幹産業のトップたちは持っているのだろうか。


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