日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

イノベーションの目的は、人を幸せにするものでありたい

2022-02-15 20:52:10 | マーケティング

今朝、FMを聴いていたら面白い商品があることを知った。
「商品」といっても、まだ販売には至っていないようなのだが、数年後子育て世代の家庭には一つ常備されるかもしれない?という、気がした商品だ。
その商品名は「魔法の虫めがね」。
作っているのは、大日本印刷株式会社という、日本の二大印刷企業の一社だ。
大日本印刷:魔法の虫めがね

今や「印刷業」といっても、新聞や雑誌などの印刷物だけを、作っているわけではないようだ。
IT技術などを使い、遠隔地から参加できる「バーチャル株主総会」などの運営サポートといった、今という時代に合わせた事業の展開もしている、ということがニュースリリースなどからわかる。
かつてのような「紙に印刷をする」という技術だけではなくなりつつある、というのが印刷業界の動きだということになるのだろう。

そのような社会変化の中で誕生したのが「魔法の虫めがね」ということになるのでは?と、考えるのだが、このアイディアの元になったのが、子育て中の社員たちが、「最近、(自分の)子供が虫めがねで、絵本や図鑑を見ている」という話しから始まったようだ。
一見すると、普通の虫めがねのように見えるのだが、絵本や図鑑にかざし、持ち手のボタンを押すと虫めがねで見ていた絵本や図鑑をAIが読み取り、読み上げてくれる、という。
それだけではなく、子どもが読んだ絵本や図鑑のデータを親のスマートフォンに送信してくれる、ということになっているようだ。
FM番組の中でも話されていたのだが、保育園などに子どもを預けている親からすると、保育園で過ごしている自分の子どもが何に興味をもって、その虫めがねをかざしているのか?ということが把握できる、ということになるのでは?という指摘もされていた。

「子どもの興味を見つけ出す」というのは、とても大変なことだろうし、親が付ききりでいてもそれがわかるわけではないだろう。
逆に親が付ききりでいることで、子どもに対して親が先回りをし子どもの興味のある・なしにかかわらず、あれこれと与えてしまい、結果として本来の興味とは違う方向へ行ってしまう可能性もあるのでは?
「子どもの個性を大事に伸ばす」といっても、親としての主観で見ることとこのような知育玩具を通して客観的に知る、ということはその意味が大きく違ってくるはずだ。
「子どもの好奇心」を上手に育めば、「子どもの自主性」を育てることにもつながるだろう。

そのような視点で見るだけではなく、「読み上げ機能」という点だけを取ってみると、番組でも指摘をしていたが「高齢者の生活ツール」ということも考えられる。
緑内障などの目の病気により、本や新聞・雑誌などを読むことが大変になった高齢者に対して、本の読む楽しさを「朗読」という方法で、再び楽しむことができれば、嬉しいだろうし生活そのものの充実感を感じることにもつながるだろう。
そのデータが遠く離れて暮らす成人をした子どもに送ることができれば、「今日、本を読んでいた(正しくは、朗読を聞いていた)」という、日々の生活の把握もできるかもしれない。

このようなAIを活用したイノベーションは、企業としての「社会的責任」を充実させるものだろうし、何より人の気持ちや心に寄り添うことができる、という点では今後期待したい「イノベーション」という気がしている。

ちなみに、現在テストマーケティングを実施するためのクラウドファンディングを実施しているようだ。
Makuake:「わかる」って楽しい!子どもの興味関心を育むAIデバイス『魔法の虫めがね』DNP



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