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アメリカの「パリ協定」離脱は、アメリカンファーストなのか?

2017-06-02 19:16:46 | ビジネス

日本時間の朝4時過ぎに、米国大統領・トランプ氏が「パリ協定離脱」を発表した。
元々トランプ氏は「パリ協定などの地球温暖化対策は、米国にメリットがない」と、言っていた。
アメリカにメリットがないのなら、パリ協定を離脱するのは当然の事、というスタンスを保ってきた。
その意味では、トランプしは「公約」通りの発表ということになると思う。
トランプ氏だけではなく、トランプ氏の支持母体(?)となる共和党が、「地球温暖化対策」に対して興味が薄く、積極的ではなかった。
支持母体となる共和党が、積極的ではないことを考えれば、当然の結果だといえるのだが、それが「アメリカンファースト」の選択だろうか?という点では、疑問が残る。

今回の「パリ協定」離脱によって、「地球温暖化対策」の中心となる国は、EUと中国と言われている。
中国はPM2.5などの排気ガスなど、自国が抱えている「公害」の諸問題解決が、地球温暖化対策へと直結する、という事情があるとは思うが、EUの場合既に厳しい規制をかけている。
いうなれば、「地球温暖化対策」の先進圏だといえる。
当然のことながら、EU諸国の企業には「温暖化対策」に対しての技術が蓄積され、様々な分野でその技術が使われるようになってきているはずだ。

トランプ氏は、温暖化対策研究の中で生まれた技術が、これから先の産業に及ぼす影響という点を重視していないように思われる。
確かに、トランプ氏だけではなく共和党の支持者の中には「温暖化対策」によって、職を失ったり売り上げが落ち込む人たちがいるのだろう。
その人達=共和党支持者の保護が、これから先のアメリカ経済を支えていくとは思えない。
世界的な流れとして、「地球温暖化対策」は急がれる問題であり、そのための技術開発を様々な企業がしのぎを削っている。
環境保全技術そのものが、様々な特許の対象となれば、特許を取得している企業にとっては大きなメリットになり、持っていない企業にとってはデメリットになる。
デメリットというよりも、経済的ダメージは大きい。
しかし、トランプ氏はその重要性を認識していないようだ。
朝日新聞:米環境保護局、早期退職者募集へ=内部文書

トランプ氏の「アメリカン・ファースト」そのものが、目先の利益に走りすぎているように感じるのだ。
だからだろう、今日のMSMのサイトには、麻生さんの辛辣な発言が掲載されている。
MSMニュースサイト:米パリ協定離脱:麻生氏が酷評「その程度の国」
それだけではなく、EUのドイツ・フランス・イタリアが「不可逆的で再交渉できない」とまで、突き放した発言をしている。
朝日新聞:パリ協定「不可逆的で再交渉できない」独・仏・伊が声明
このことは、トランプ氏が大統領の座を降り後でも、アメリカがもう一度交渉することを難しくしてしまった、ということを示している。

トランプ氏が、本当の「アメリカン・ファースト」の意味を知るのは、アメリカ経済が「地球温暖化対策」の遅れによってダメージを受け、共和党支持者の人たちから批判が出た時なのかもしれない。




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