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個人データ‐マイナンバーカードは大丈夫?‐

2024-05-10 22:05:50 | ビジネス

朝日新聞に、「マイナンバーカードの偽造が相次いでいる」という、記事があった。
朝日新聞:偽造相次ぐマイナンバーカード 河野氏が注意喚起 IC読み取りアプリ検討 

ご存じのように、今年12月に健康保険証をマイナンバーカードと一体化する、ということが決まっている。
元々マイナンバーカードについては、様々なトラブルが起きており、マイナンバーカードと健康保険証の一体化に対しては、様々な問題が解決してからでも良いのでは?という、意見が出ていた(と思う)。
にもかかわらず、河野デジタル大臣は強引に推し進めようとしている。
そこに、このような「偽造問題」が起きている、という状況になってしまっている。

私自身は、現在起きているマイナンバーカードについての問題が解決してから、取得を考えていたので健康保険証との一体化に関しては、とても困っている。
そこに「偽造」という問題が浮上してきているのだ。
ますます、マイナンバーカードに対する信頼度は、ダダ下がり要因と考えてもよいのでは?と、思っている。
マイナンバーカードそのものに興味が無かったので、知らなかったのだが「個人情報へのアクセスが可能」なマイナンバーカードのICチップの読み取りアプリを検討する、という手際の悪さに、驚いている。

と同時に、政府が検討するような読み取りアプリは、大丈夫なのか?という、不安の方が先に立つのだ。
何故なら、これまでのマイナンバーカードをめぐる政府のグダグダな対応を見ていると、不安しかないからだ。
何より、健康保険証と一体化したマイナンバーカードを偽造される、ということは偽造された方の病歴を含む個人情報が流出する、と考える必要があると思う。

個人情報の中でも「病歴」は、究極の個人情報なのではないだろうか?
政府は、単に、風邪やケガの治療で病院を受診。処方薬を購入した程度に考えているのかもしれないが、遺伝と関係のある病気や難病、がん等の治療歴等の個人情報は、その重要性が全く違う。
だからこそ、慎重な議論が必要になるだろうし、今更ICの読み取りアプリの開発という後手後手には、政府自体が「マイナンバーカード」に対する考えが、とても軽いモノだった、という印象しか持てないのだ。

そのような不安な状況の中で、日経新聞が「個人データの越境移転」という話題を記事にしている。
日経新聞:個人データの越境移転、円滑に日英米等10ヵ国・地域 

増え続けるECサイト等で購入した個人データを企業間で流通させ、電子取引を簡便化する、ということを目的しているのだが、商品やサービスを購入した本人があずかり知らないところで、個人データが企業間で流通する、ということに不安を持つ生活者もいるのではないだろうか?
実は、このような仕組みは既に存在しており、情報サイト等にアクセスすると表示される「cookie」が、それにあたる。
「cookie」が表示され、同意をするとアクセス者の情報が広告代理店等のプロモーション等に、使われることに同意する、ということになっている。
「cookie」が表示される度に、そのような文章が表示されるのだが、この表示文をどれだけの人が注意深く読み、同意をしているのだろう?
広告等のプロモーションに使われる程度(と言っても、個人データが勝手に使われるという意味では、嫌悪感を覚える人もいると思うのだが)とは違い、ECサイトでの購入歴から「年齢・居住地域・購入額・クレジットカード情報」等が勝手に違う企業に流出してしまう、という意味も含んでいるのでは?

これらは、生活者にとって便利なコトなのだろうか?
今一度、デジタル化(というよりも「DX推進」)と個人データ保護という問題を、考える必要があるのではないだろうか?