日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

QOLを考える

2010-03-29 23:07:12 | アラカルト
乳がんでしばらく入院をしていたのだが、その時感じたことが「QOL」についてだった。
「生活の質」と訳される言葉だが現在は、医療関係者と患者と言う関係でのみ使われている。
実際、その「QOL」の質を上げようと、「オンコロジー・ドリームチーム・プロジェクト」と言う、医療関係者と患者さんが一緒になって動き始めている。

参加者を見てみると、製薬会社の社員さんや医療従事者、学生さんばかりが目に付く。
実際の患者さんがどれだけこのプロジェクトに参加し始めているのかは、分らない。
ただ、コレまでの日本の医療は「医者が治すもの」というトコロで、終わっていたような気がする。
患者さんは、医師の言う通りが、ベストな治療だと思い込んでいたし、医師の言葉が絶対だった。
そこには、医師と患者のコミュニケーションができた上で、患者がどのような治療を望んでいるのか?という点は、二の次三の次だったように思う。

ところで、このドリームチームに参加している企業は、製薬企業以外無いようなだ。
もちろん、治療という点で製薬企業が参加するというのは、よく分るし当然だと思う。
しかし、治療というだけでは「QOL」ではないように思うのだ。

今回入院・手術を通して感じたことは、医療用品などは市場規模が小さいだけではなく、半ばガリバー的市場構成になっているためなのか?余り使い心地の良いモノがない様に思えた。
医療用品としての機能は、十分満足できるのだが、そこに「使用感」という視点が抜けているような気がしたのだった。

他にも、退院後普通の生活に戻ると、それまで当たり前だと思っていたモノが案外不便になったりしている。
病気=患部は、人それぞれ。
それだけではなく、症状や状況も個人差がある。
そのため「規格化」するコトがとても難しい、というコトは十分理解できる。
でも、それで終わってしまっては、「不便さに目をつぶっている」だけのような気がするのだ。

がん患者だけではなく、様々なハンディを持っている人の「QOL」と言う視点でのモノ作りが、必要なのではないか?
そんなコトを考え、過ごした入院生活だった。


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