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スーパーボウルのCM

2021-02-08 19:00:15 | CMウォッチ

日本時間の今朝、全米が熱狂すると言われている「スーパーボウル」が、開催された。
アメリカンフットボールのファンであれば、「スーパーボウル」がどれほど影響力のある、スポーツイベントであるのか?ということは知っているだろう。
そして、アメリカンフットボールに興味が無いマーケターもまた、「スーパーボウル」というスポーツイベントの影響力を、理解しているはずだ。
何故なら、スポンサー企業はこの「スーパーボウル」の1回の為に、特別なCMを制作するからだ。
CMを流すために支払われる金額が「30秒で5億」とも言われ、当然それに似合うだけのCMが制作されることになる。
それほどの金額を投じてつくられるCMは、CMの新しい潮流を創り出す、とまで言われている。

今年の「スーパーボウル」のスポンサーとして登場した企業の中には、日本のメルカリやINDEEDなどがあったようだ。
TC:スーパーボウルCMにメルカリ初出稿、Game Stop騒動で注目が集まるRedditやRibonhootなども

常連企業としてはトヨタやペプシ、バドワイザーなどがある。
ELLE:2021年スーパーボウル、CMで株を上げているブランド、下げているブランド

ELLEの記事では、「評価をあげたCM、下げたCM」それぞれを見ることができるので、じっくりと見て欲しいのだが、スーパーボウルのCMが新しい潮流を創り出すと言われるゆえんは、このCMが出稿した企業からのメッセージというだけではなく、「今企業が求めれているコト」を表現している場合も多いからだ。

今回のバドワイザーの場合、「新型コロナ」に対する企業の考えを示しながらも、昨年スポーツ選手を中心に大きなムーブメントとなった「BLACK LIVES MATTER」の映像を差し込んだりしながら、「希望」を持つことを訴えている(冒頭、アパートの窓から口ずさまれる歌は、ビル・ウィザースの「Lean Me On(「私を頼りに」という意味)」。
逆にロジテックは、今全米で最注目されているミュージシャンを起用し、若い世代に対してストレートな社会メッセージを伝えている。
両極にあるようなCMではあるが、どちらも企業としてのメッセージとしては、昨年から続く「新型コロナ」やアメリカ特有の人種的、あるいは性的問題に対して「(みんなで)解決していこう。希望を持って」というメッセージが伝わってくる。

このように、スーパーボウルのCMというのは、製品CMではなく企業が今社会に対してどう考え、行動していこうと考えているのか?ということを伝える場であり、そのための映像表現もまた「人種のるつぼ」と言われるアメリカの内情も加味しながら考えられているのだ。
と同時に、今回は大きく取り上げられなかったようだが、新しい映像手法なども見ることができるし、スポンサー企業を知ることで、今勢いがある企業、長いブランディング活動により、生活者の心をがっちりと掴んでいる企業などが分かるからだ。
だからこそ、マーケターとしてスーパーボウルのCMは特別なCMなのだ。



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