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炎上広告は、なぜ作られてしまうのか?

2018-05-01 20:05:53 | マーケティング

ここ2,3日、話題になっている広告がある。
キリンビバレッジの「午後の紅茶」、Twitterサイトに掲載された広告だ。
Twitterをしていないので、広告そのものを見たことは無かったのだが、その広告についてHuffpostが取り上げている。
Huffpost:『午後ティー女子』のイラストが炎上。キリンに対して「顧客を悪く描いて何が楽しいのか」の声

キリンビバレッジのTwitterからは、既に削除をされたようだが、ここ1,2年で大企業の広告が炎上することが多くなっているのは、何故だろうか?

まず、問題となったイラストを見ると、実際街中でこのようなファッションの若い女性を見かけることはある。
彼女たちが実際、このイラストのキャプションのようなことを考えているのかどうかは別にして、このようなファッションの若い女性がいる、ということは間違いないと思う。
とすれば、問題となるのはイラストそのものではなく、イラストの女の子たちの「心の声」のようなキャプションが問題なのだと思う。
その問題となっている「キャプション」は、一体どこから生まれたものなのだろうか?

キリンビバレッジほどの大企業であれば、当然それなりの調査をしているはずだ。
とすれば、キャプションのいくつかはイラストとは関係なく、女の子たちの気持ちなのかもしれない。
それをダイレクトに表現してしまったのが、問題となっているのではないだろうか?
人は、自分の心の内を見透かされたようなことを言われたり、書かれたりすると反発をしてしまうことは多い。
その反発が、炎上に結びついていると考えられるのでは?

これまでの広告というのは、そのような生活者の気持ちに配慮しつつ、違う言葉で生活者に訴えかけるようにしてきた、のではないだろうか?
最近目立つ炎上広告の多くは、本音ともとれる言葉をダイレクトに表現している為に、逆に反発(=炎上)されてしまっているように感じるのだ。
もしかしたら、ダイレクトどころか誇張しているかもしれない。

広告の難しさは、生活者の気持ちに寄り添った表現をすると同時に、直接的な言葉ではなく違う言葉に置き換え、生活者の気持ちを反映させることだと思う。
それは言葉の表現だけではなく、映像・画像表現も同じだろう。

今のように広告で使われる媒体が、テレビ、雑誌のような活字メディア、インターネット、SNSと増えるに従い、企業側は媒体に合わせた広告を作るようになる。
特に、TwitterのようなSNSの場合、ユーザーターゲットを絞りやすい場合、どうしてもその層を意識したものをつくりがちになる。
しかし実際に作っている人たちは、そのSNSユーザーとは全く違う年齢層であることが多い為、受け手となる人たちからは違和感を持たれてしまうのでは?と、感じている。
だからこそ、一部の化粧品などは実際のユーザーとなっている高校生たちにプロデュースや広告に参加してもらっているのだ。

炎上してしまう広告というのは、広告のつくり手と実際のユーザーとのギャップが生み出しているのでは?と考えるのだ。




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