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就活生を、ステークホルダーと考えられる「カゴメ」

2018-05-02 12:30:10 | マーケティング

With newsというサイトに、興味深い記事が掲載されていた。
With news:これぞ商売人の鑑!カゴメの就活生への対応が話題に 担当者に聞く

内容については、リンク先の記事を読んでいただければと思う。
このカゴメの対応に対して、ネット上でのコメントに、多くの企業は注目すべきだと考えている。
何故なら、カゴメは就活生を自社にとっての大切なステークホルダー(=利害関係者)だと考え、その行動の結果として生活者の多くが、どのように感じているのか?ということが、如実に書かれているからだ。

マーケティングを担当している方であれば、様々な場面で言われる言葉「ステークホルダー」。
日本語では「利害関係者」と訳されることが多い。
そのため、どうしても「利害関係者=投資家、取引先」という狭い相手を思い浮かべがちだが、本来の「利害関係者=ステークホルダー」が指す相手は、もっと多い。
むしろ、年齢や立場を問わず社会を構成する人達全てが「利害関係者」である、と考える必要がある、とドラッカーは書いていたように記憶している。

カゴメの担当者のコメントを読むと、就活生が一生懸命に書いた(入力した?)エントリーシートに対しての、労力やカゴメという企業に興味を持ってくださったことに感謝をし、その感謝の気持ちとして自社製品を送っている、ということだが、入社という縁が無かった学生だけではなく学生とその家族は、カゴメにとっては大切な顧客となりえる相手(=利害関係者)である、ということを十分理解をしたうえでの行動なのでは?という気がしている。
自社製品を送るという「手間+送料」というのは、企業にとっても、経費負担が大きなものだからだ。

しかし、その経費負担を広告宣伝費と考えた場合、昨日エントリしたような炎上してしまうような広告を打つよりも、遥かに企業イメージをアップさせ、新たな顧客を獲得する為には有効で経費負担も少ないかもしれない。
実際、ネット上のコメントをいくつか読むだけでわかると思うのだが、就活生の関係者以外で、このニュースを読んだ人達が、「これからは積極的にカゴメの商品を購入したい」と書き込んでいる。
カゴメにとって、ニュースとして取り上げられることは、想定外だったかもしれないが、このような「就活生を将来の顧客」と見据えた考え方というのは、企業にとって忘れがちなことでもある。

カゴメが、就活生をどれほど「未来の顧客」と考えていたのかは、担当者のインタビュー内容からはわからない。
ただ、一見地味で経費負担ばかりが大きいと思われることであっても、「(未来の)ステークホルダーの獲得」という視点で考えれば、とても有効な方法でもあるのだ。
そしてこのような方法から生まれるのは「顧客との信頼関係」であり、それが以前よく言われた「CRM(顧客との信頼関係のマネージメント)」へと繋がっていく。

それだけではなく、ネット上のコメントのいくつかは「就活時の対応に不満があると、その企業の商品やサービスを避ける」という、内容があるという点だ。
就職活動は、就職を希望する人達に注目されがちで、企業側の態度というのはあまり話題にならない。
「縁あって就職する企業」もあれば、「縁なく就職できない企業」もある。
しかし企業側が忘れてはいけないのは、就活生(とその家族)もまた自社と何らかの利害関係がある生活者であるということだろう。
だからと言って、カゴメのような贈り物をすれば良い、というわけではない。
カゴメの「就活生に対する考え方と誠実な態度」という点が、重要なのだ。

カゴメの「就活生への贈り物」は、企業が生活者とどう向き合っているのか?という、企業の考えを表しているのだと思う。

ジャンル:
経済
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