日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ブランドづくりの難しさ

2011-06-23 20:54:45 | ビジネス
ユニクロが「+J」の終了を発表した。
ジル・サンダー氏とのデザインコンサルティング契約終了のお知らせ

ジル・サンダーとのデザインコンサルティングが発表された時、「ブランドづくり」が大変そうだな・・・という気がしていた。
その理由は、
・ユニクロの顧客が求めているモノとジル・サンダーの服づくりの共通点が見つからない
・価格的なギャップ
 ジル・サンダーの服として考えれば、安価な服だがユニクロとしては高い価格帯だった
・ジル・サンダーというブランド名が使えない
などの理由が上げられると思う。

特に、「ジル・サンダー名」が使えなかったということは、やはり大きかったように思う。
もちろんユニクロの顧客が「ジル・サンダー名」を求めていたのかは、疑問な点はある。
だが「+J」というブランドでは、アピールするポイントがとても難しかったのではないだろうか?

実際、店頭で「+J」の商品を見ても、「商品ラインとしては、難しいだろうな・・・」という印象しかない。
というのも「デザイン」を優先すれば、当然それなりの素材が必要となるのだが、ユニクロとしての価格を考えた時、そこまでの要求に応えられなかったように感じたことが幾度かあったからだ。
それが逆に「中途半端」な印象を与えてしまったのでは?という気がしていた。

プレスリリースでは、そのようなことは当然のことながら一切述べられいない。
だが、今回の件で「ユニクロ」として新しいブランドを創る難しさ、というコトを知ったのではないだろうか。

むしろ「ユニクロ」ではなく、ファーストリテーリングとして新しいファッションブランドを創るという方向へ向かっていくのかも知れない。
その時は、ジル・サンダーのような著名なデザイナーなのかも知れないし、日本の若手デザイナーかもしれない。
既に自己ブランドを持ち、ブランドを確立しているデザイナーと一緒に、新しいブランドを創るという意味で、もしかしたら、川久保玲や山本耀司のような日本を意識した、国際的な日本人デザイナーかもしれない。

アパレル業界そのものは、過渡期に来ているような気がしている。
かつての東京コレクションのような活気が見られないことや、「東京ガールズコレクション」のような「ファッションショー兼即売会」ばかりに注目が集まることなど、「ファッション」が時代の空気感を発信しなくなってきていることに、もどかしさというか残念な気持ちがある。


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