日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

障害者雇用という「ダイバーシティー」

2012-11-02 17:45:18 | ビジネス
所用があり、久しぶりに繁華街へ出かけた。
その途中、スターバックスの前でコーヒーの試飲を勧める女性の姿を見かけた。
この秋一番の寒い日となった今日、温かなコーヒーに手を伸ばす通行人は多く見られた。
コーヒーを勧める女性は、スターバックスの制服を着ているのだがチョッと雰囲気が違う。
ダウン症の女性の様だ。
ご存じの方も多いと思うが、ダウン症という障害を持っている方は、その特徴的な容姿で直ぐにわかる。
そのため、私のような通行人でも判るのだが、この様な障害を持った人が一般企業で仕事をする、というのはなかなか難しい状況にあるのが日本の社会でもある。

ここ数年、ビジネスのグローバル化に伴い盛んに言われた「ダイバーシティー」という言葉。
「多様性」を指す言葉だが、「多様性=外国籍の人材活用」と捉えている企業が多い様に感じている。
「多様性」というのだから、外国籍の人を雇用するだけが「ダイバーシティー」では無いはずだ。
むしろ、様々なキャリアを持った高齢者や一時期仕事を離れていた人、そして障害を持っている人などが、その人らしさを発揮しながら仕事ができるコトのほうが「ダイバーシティー」という考えに近いのではないだろうか?

障害者雇用は、実に手間暇掛かる雇用形態だと思う。
「収益」という視点だけで考えれば、決して効率の良い人材では無いと思う。
でも、障害者だけではなく既存の企業文化以外からの入ってきた人たちが与える、影響は大きいと思う。
それまで気づかなかった視点を、教えてくれる存在でもあるはずだ。
何より、生活者の志向や考えが多様化している。
その生活者は、コレまで企業の中心となって働いてきた人材だけでは、対応仕切れなくなってきているはずなのだ。

「ダイバーシティー」で大切なコトは、「多様性のある人材を、活用する為のマネジメント」なのでは?
「マネジメント=管理」と考えると、とても難しく大変なコトになってしまう。
「管理」ばかりに気を取られていると、管理する為の管理となってしまうのではないだろうか?
「管理をする」という視点で考えれば、今までと同じ働き方のほうが管理をしやすい。
そのため「ダイバーシティー」という、耳障りの良い言葉を実行しているわかりやすさを「外国籍の人の雇用」と捉えている企業が多いのではないだろうか。
「グローバル化」の第一歩は、多様な経験と価値観を持っている人材が集まるコトなのでは?
そんなコトを、スターバックスで働くダウン症の女性の姿を見て感じたのだった。


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