日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

積極的に動き出す下請け企業

2008-10-01 21:22:47 | ビジネス
アメリカ発の金融不安が、日々続いている。
「金融安定化法案」が上院で可決されたが、果たしてどれだけの効果があるのか?
この「金融安定化法案」では、当初投資銀行の経営責任を問うような内容が含まれていなかった事が、下院で否決された要因だったそうだ。
年間何十億という膨大すぎる報酬を得ているのだから、当然それなりの責任をまず取るのが当たり前なのだが・・・ところで、日本の場合どうでしたか?
いまだに、銀行員の給与は中小企業で働く人達よりも多いという記憶がありますが・・・そんな人達の給与から支払われている税金を投入されているのですから、金融不安だからといって、「貸し渋り」や「貸しはがし」などはしてもらいたくない、と思うのは私だけではないだろう。

中小企業といえども、いつまでも下請け企業でいる訳にはいかない!と、動き始めたトコロがあるようだ。
今日の朝日新聞のWEBサイトに脱下請けへ自社ブランドで百貨店へ 神戸・長田の靴会社という記事を見つけた。

神戸・長田地区といえば、「阪神・淡路大震災」で一番被災した地域でもある。
町全体が焼き尽くされた光景を、覚えている方も多いのではないだろうか?
その長田地区の主だった産業が「ケミカルシューズ」と呼ばれる、カジュアルシューズ製造だと知ったのは、震災の頃だった。
震災前は、ケミカルシューズを作る下請け工場が、いっぱいあったようだ。
そんな工場も、震災と共に廃業に追いやられたトコロが多いという話だった。
ところが、ショッピングサイトなどで探してみると、下請けから脱却して自分たちで販売しようとしている企業があることを知った(私が時折、チェックする靴屋さんです)。
その様なトコロは、ひとつのショッピングサイトの中にいくつかの会社が協力しあって、商品を出している。
ただ利用者からすると、靴に限って言うならネット販売は、不安が他の商品よりも高い商品でもある。
というのも、靴というのは「試し履き」をしたい、という希望が強いのだ。
なぜなら、デザインが気に入っていても履けなければ、靴の意味が無いからだ。

今回は、阪神百貨店で期間限定販売のようだが、このような下請け企業が、直接お客様と接する機会はとても有益なコトだといえる。
いつもメーカーから指示され、言われた通りのモノを作るだけでは、いつまでたっても下請けでしかない。
しかし、直接お客様から話を聞く事で、デザインだけではなく、履き心地など様々な問題点や改善点を直接知ることができるからだ。
それがキッカケで、「モノ言う下請け=提案性のある下請け=B2Bの関係」となると思うのだ。
もちろん、下請け企業から脱却できるチャンスとなるだろうし、顧客オリジナル靴を作る「私御用達靴工房」へと変わる可能性も十分にある。

もうひとつ注目したいのは、関西の老舗百貨店がこのような企画に、積極的になっているということだ。
東京、名古屋に比べると経済に元気が無いといわれる関西だからこそ、このような「地産地消」を提案し、関西全体を盛り上げていきたい!という意思も感じられるのだ。


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