日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

価格以外の魅力を打ち出す

2010-01-16 15:58:32 | ビジネス
世の中「デフレ」である。
それも「デフレ・スパイラル」と呼ばれる、一種の「負の渦に巻き込まれている」状態だ。
そのため、新聞の折込チラシだけではなく、テレビの生活情報番組などで話題になるのは「激安価格」というコトバが飛び交う内容だったりする。
通販などでは「訳アリ商品」が、人気だという。
いわゆる「規格外商品」を、お値打ち価格で販売しているのだ。
もちろん、そんな商品にも魅力はたくさんある。
何より「家使いであれば、正規品でなくても十分」という商品が、正規品の半額以下で購入できる場合もあるのだから、この不景気な時に飛びつかない生活者は、少ないだろう。

しかし、そんな「価格だけで勝負」するようなコトばかりで、良いのだろうか?
先日、あるテレビCMを見ながらそんな思いにかられた。
あるテレビCMというのはBMW「歓び」という内容のテレビCMだ。
元々BMWのテレビCMは、ある種の高級感というかラグジュアリー感を出し、「燃費の良さ」と言った「経済性」を打ち出すことは無かったし、「未来感」とか「先進性」を全面に出すことも無かった。
だからこそ、「BMWのクルマを買う=ワンランク上の生活」という、イメージがあったのでは?と、考えるのだ。

ただ、今回のテレビCMを見ていると「高いのには、訳がある」というCMのような気がしたのだった。
それが「歓び」というキーワードだ。
トヨタもホンダも「クルマを運転する歓び」というコトを、忘れたわけではないと思う。
実際、ホンダは「インサイト」の販促として、「エコグランプリ」を展開し、「燃費」と「クルマを運転する楽しさ」をPRしている。
それが、どれだけ生活者の中に残っているのかは分らない・・・という気がしている。
何故なら、最近のクルマのCMは「エコカー減税」ばかりが目立つからだ。

何もクルマのCMだけではない。
「そのモノ・コトがある生活の楽しさ・豊かさ」を伝えるようなCMが、殆ど見ることができないような気がするのだ。
CMに限らず、どこか「夢や楽しさ、豊かさ」を感じさせるモノが、「不況・デフレ」で押しつぶされてしまっているような気がするのだ。
こんな時代だからこそ、本当は「価格以外の魅力」をもっと強く打ち出す戦略が、必要なのではないだろうか?
「訳アリ」と言っても、「規格外」という「訳アリ」ではなく、「上質で生活を楽しくさせるモノには、訳がある」という「訳アリ」があっても良いのではないだろうか?



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