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ヤマトの「Amazon 即日配達撤退」で、生活者の意識は変わるのか?

2017-04-07 19:50:01 | アラカルト

毎日新聞が、ヤマト運輸が扱っているAmazonの即日配達から撤退をする、というニュースを報じている。
毎日新聞:ヤマト「Amazon即日」撤退・・・配送負担軽減へ検討

そもそも、通販で購入した商品が注文をしたその日のうちに届く(深夜に注文しても、翌日に届く)ということ自体、凄すぎることなのではないだろうか?
プライム会員になれば、送料も無料となるというのは、至極便利だ。
だが「凄すぎること」ということは、逆に考えれば「普通では考えられないこと」だともいえる。
その「普通では考えられないこと」の為に、どれだけの人の手が余分にかかり、余分な時間をかけているのか?と、考えると「凄すぎるサービス」は、「過剰すぎるサービス」だともいえるような気がする。

そもそも「即日配達」を希望するほどの商品を購入したいのであれば、以前であれば実際に買い物へ出かけていたはずだ。
「突然買い物をしたくなる」という程度の、成り行きというか、行き当たりばったりの買い物というわけではないと思う。
確かに、市中の百貨店やスーパーで手に入らないような商品が、Amazonにはある。
そのような商品を購入するためには、やはりAmazon頼りになってしまうのは仕方ない。
実際私も、先日絶版になってしまった本をAmazonで購入した。
購入したが、即日配達などは利用をしていない。
なぜなら、商品が到着するまでの時間も含めて「通販の楽しみ」だと思っているからだ。

上述した通り「即日配達」を希望する商品というのは、どのような商品なのだろうか?
昨今は、都市部のスーパーやコンビニを中心に「買い物に出かけられない・出かけにくい人向けサービス」として、「ネットスーパー」と呼ばれるサービスも一般化してきた。
「日配品」と呼ばれる商品や食品などは、早く欲しい!という商品だと思う。
Amazonも「パントリー」と呼ばれる、食品も扱ってはいるが、あくまでも長期保存ができる商品に限られている。
東京の中でも限定地域では、鮮度を重視するような食品も扱ってはいるようだが、あくまでも限定的なサービスであり、試験的なものだと思っている。

プライム会員と呼ばれる会員をAmazon側が増やしたい理由は、よくわかる。
このプライム会員の特典というのが、一般購入者との差別化を図り、顧客の囲い込みをするために設けられた特典である、ということはよくわかる。
プライム会員でなくても、一度Amazonで何等かの商品を購入すると、しつこいくらいに「あなたのお買い物傾向からおすすめ商品」という、要らぬ表示がされる。
プライム会員になれば、Amazon側としてはより顧客の情報を得やすくなり、それらの情報を基に様々な仕掛けがしやすくなる。
Amazonがしきりに「プライム会員」特典を強調するには、それなりの理由があるのだ。
言い換えれば、それは自ら個人情報だけではなく自分の生活の一部の情報をAmazonに提供している、ということにもなっている。

買い物をしたら、すぐに自分の手元に来て欲しい!という、購入者の気持ちはわからない訳ではない。
しかし、そこまでして欲しいものであれば、やはり「買い物へ出かける」という行動もまた、必要なのだと思う。
それにしても、一般利用者であってもある一定金額の商品購入で、無料配達になるのは嬉しいが、何故日にちや時間指定には、別途費用が掛かるのだろう?
「即日配達」よりも、そちらを無料にしたほうがはるかにユーザーメリットになると思うのだが・・・。



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