来週の日曜日は、参院選の投票日だ。
今週1週間、各政党は今まで以上に街頭で多くの人を集め、自分たちの主張を聞いてもらえるようにするだろう。
それ自体、悪い訳ではないし、実際の選挙カーでの選挙運動は「立候補者の名前しか言えない」ということもあり、立候補者の考えなどを聞く機会は、限られている。
そろそろこの「選挙活動」についても、新しい選挙活動を検討すべきだと思うのだが、祖父母・両親から地盤・看板・鞄を引き継いできた世襲議員あるいは後継者指名を受けた立候補者からすれば、議員になる思いは薄く、とにかく議席確保の為には「名前を覚えてもらう」という、旧来の選挙戦の方が、効果的ということもあり、選挙制度そのものが変わっていかないのだろう(と、想像している)。
そのような中で、注目を浴びやすいのが「ワンフレーズ」のキャッチフレーズだろう。
その中でも「参政党」の「日本ファースト」という言葉は、とても力強く感じている有権者が多い、という印象だ。
逆に、このワンフレーズによって、党首である神谷宗幣氏のこれまでも数々の暴言が、チャラになっているという印象すらある。
この「日本ファースト」という言葉が、これほどまでに効果的に感じる理由を考えると、岸田前首相の数々の外遊で約束をしてきた海外諸国に対する支援の金額の多さだろう。
「私たちは、生活の為に苦労をしているのに、国民ではなく海外にばかりいい顔をする為にお金を出している」という、生活者の心情を無視したような大盤振る舞いをしてきたからだ。
一方、何故自民党というか岸田さんはそれほどまでの大判振る舞いを海外でしてきたのか?ということも考える必要があると思う。
何となくだが、岸田さんというか自民党あるいは財務省には、「国際社会で日本の存在感を強く出したい」、という思いがあったのではないだろうか?
戦後、大きく傷ついた日本の国土と経済を大きく立て直し、世界から称賛さえる様になったはずなのに、1970年代は「エコノミック・アニマル」と揶揄されてきた。
「経済の為に馬車馬のように働く日本人」という訳だ。
そのような刷り込みが延々と40年以上、岸田さんと財務省の中にはあったのではないだろうか?
まして、岸田さんは国内において何かしらの実績らしきものを打ち出すことができなかった。
いくら故安倍元首相がひたすら隠していた「裏金問題」や「統一教会問題」などが、表面化し十分な説明責任を果たすことよりも、「外交の岸田」というイメージづくりに専念することで、世間の批判をかわそうとしたような印象がある。
それが、今回の「日本ファースト」というワンフレーズに、共感を呼ぶ結果になっているとすれば、それは有権者側の知性を図られているような印象を持ってしまう。
キャッチコピーは、あくまでも「(人の)気を引くための言葉」だ。
大事なことは、「何を言っているのか?」、「どのような考えが根底にあるのか?」ということを、知ることなのだ。
だからこそ「言葉に騙されない」だけの知性を、有権者は持つ必要があると考えている。
それが「民主主義」の根幹にかかわることだからだ。
「民主主義」を否定するような政党が、ワンフレーズで共感を得るような社会は、やはり問題をはらんでいると危機感を持つことが大切なのだと思う。
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