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女性マーケターから見た日々の出来事

「お天道様が見ている」-職務意識について-

2005-12-01 11:16:54 | アラカルト
耐震強度偽造事件は、日に日に問題物件が増え続けている。
ひとりの構造建築士が起こした事件としては、その被害は余りにも大きい。
そして、関係者となる人達の「他人ごと」のような発言や、「責任の擦り付け合い」ばかりが目立つ。
一体、いつから日本という国は、こんな無責任な職務意識の人達の集まる国に、なってしまったのだろうか?
今回の「耐震強度偽造」だけではない。
今年起きた様々な企業事件の根っことなる「思考」は、同じなのではないだろうか?
例えば、監査法人の粉飾決算指導などは「公認会計士」としては、やってはいけないはずのこと。
それは、職務責任として当然のことだと思われてきた。
しかし、いとも簡単に行われてしまった。

一昔前までは「お天道様が見ている」という言葉が普通にあり、「誰も分からないから誤魔化しても大丈夫」という気持ちを、諌めてきた。
それは日常生活全般における、社会的マナーやルールとなっていたはずなのだ。
「職人気質」の親爺さんは「プロの心得」として、それを言ってきたのではないだろうか?
それが、効率や経済性という言葉にとって変わられた頃から、スッカリ聞かない「言葉」となってしまった。

果たして「効率」や「経済性」と、「お天道様が見ている」と言う「職務意識」とは相容れられないものだのだろうか?
おそらく、「お天道様が見ている」という「職務意識」の上に「効率」や「経済性」、場合によっては「成果」というモノが、あるのではないだろうか?

だから、このような「誤魔化し」は、白日の下になるのだ。
今回の事件では、現場の人達が「これはおかしいのではないか?」という指摘を、していたという。
それだけではない、1年半前に、指摘している同業者もいたのだ。

「お天道様が見ている」という、日本的な社会の暗黙のマナーは、ビジネスの世界においても、大切な「職務意識」なのではないだろうか?

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2 コメント

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絵空事 (sam)
2005-12-05 13:01:28
私は構造設計に携わるものですが、今回の構造設計偽造を見抜けなかった審査機関、行政の主事は、殆ど見抜けないでしょう。彼らはあくまで役人(民間へ天下り)であり、実際の設計などしたことがありません。所謂、資格に付いて廻る技術が伴っていません。ただ、基準法についての審査は大丈夫でしょうが、もともと構造設計については素人同様です。今回の構造計算書なり構造図を見ればプロなら一目で不正を見抜けるはずです。現在の日本の中では本当に専門知識を有する技術者はリストラされたり、会社の方針に従って不正に目を瞑っているのでしょう。若い技術者もコンピューターを操作するが、実際の設計の経験(意匠、構造、設備と言ったパート部ではなく、全て)がなく「感」が働きません。一見しておかしいと解るのがプロです。近頃、詐欺商法が巷に蔓延しておりますが、これも、組織化した大掛かりな詐欺商法でしょう。販売、建設ともに最初からだますつもりで行っているのでしょう。世の中の流れに乗り、安さと広さ(これに庶民は弱い。本物を見分ける能力がない)を謳い文句に多くの国民が毒牙にかかったとしか思えません。
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コメントありがとうございました (いとう@管理人です)
2005-12-05 21:18:47
samさん、コメントありがとうございました。



「建築」という分野においては、まったくの素人ということもアリ、samさんのような専門科のコメントはとてもありがたかったです。

それにしても「プロ」として専門知識を有している技術者が、リストラの対象となるのは理不尽というか、おかしな話ですね。

「プロ」である人たちが、「素人」というのでは「詐欺」といわれても仕方ないかも知れません。

でも、今は「素人」のような職務意識をもった「プロ」が、多くいるというのも現実です。

本当の「プロ」しか生き残れない時代は、直ぐそこにきているとは思うのですが・・・。
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