日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

日本の研究もなかなか凄いんです。

2012-05-24 08:45:47 | ビジネス
Yahooのトピックスに、経済誌のダイヤモンドのWEBサイト・ダイヤモンドオンラインの記事「国内ベンチャーに業を煮やし公募型研究に走る製薬各社」が、取り上げられていた。
この記事を読んで、個人的にホッとしたトコロがあった。

と言うのも、病気を得てから市民公開講座などで勉強するようになり、その中で何度も「日本の医療技術・開発は決して欧米に劣っている訳では無い」というコトバを聞いてきたからだ。
と同時に、これからの癌などの治療は「遺伝子レベルになる」という話も聞いたことがある。
先日の「高齢者の脳と認知」という話でも、「認知症と言っても、実に様々で患者さん一人ひとりの症状が違う」というお話も伺った。
風邪などのように一過性の病気などは、流行の傾向を知るコトで多くの人がある特定の医薬品で対応するコトができる。
しかし「癌」のような病気になると、同じ状態の患者さんは誰ひとりとしていない。
病気そのものが、個性的で治療についても「その患者さんに合わせた治療スケジュール」が必要となる。それは「認知症」も同じだという。

今年2月から大阪大学医学部付属病院で治験が始まった「成人T細胞白血病」などは、実はアジア系の一部で見られる感染型の癌だと言われている。
そのため、研究そのものが欧米では進んでおらず、日本が中心となっている研究の一つだと聞いたことがある。
他にも、肺がんの分子標的薬「イレッサ」などは、アジア系・非喫煙者・女性に多い肺腺がnには効果が高いが、欧米・喫煙者になると副作用が問題になる。
その理由はそのタイプの肺腺がんを引き起こす遺伝子の配列が、欧米人では殆ど見られないからだ。
すなわち、欧米でいくら効果があると認められた医薬品であっても、日本人を始めとするアジア人には効果が期待できない、または逆にアジア系民族には効果があっても欧米系民族には効果が余り期待できないと言うケースもあるのだ。
違う見方をすると、「日本人のための医薬品の開発には、日本国内での研究が必要」だとも言える。

そこまで癌などの研究が進んでいるコトを考えると、グローバル化を目指しながらも国内にも目を配らなくてはならない、と言うのが今の新薬開発の状況なのだと思う。
ただその様な研究をしやすい環境にあるのが、実は付属病院を持っている大学やがんセンターの付属研究所だろう。
医薬品メーカーとしては、全国の大学で研究が進められている内容をいちいち把握するよりも、公募をした方が時間も手間も省けるだろうし、大学側としては研究資金を心配する必要がなくなる、と言う互いの江メリットがある。

その様に考えると、この流れは当然のコトのように思えるし、より積極的になっていくのでは無いだろうか?
ただ一つ問題があるとすれば、日本では治験に対してネガティブなイメージ(=実験台)ある為、治験に参加される患者さんや患者家族の理解を得られにくいという点だろう。





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