スマホでニュースチェックをしていたら、「自民党裏金問題5人衆」と言われている西村康稔前経済産業大臣が、選挙区である地元・明石市や淡路市で事件の関与を否定する為に、有権者に呼びかけの街頭活動をした、という記事があった。
サンテレビNEWS:「裏金は一切ない」西村康稔前経済産業大臣が疑惑について地元有権者に謝罪
政治家が不祥事を起こした時、このような「お詫び行脚」をすることは珍しいことではない。
「お詫び行脚」をすることで、自分の潔白を有権者に訴え、次の選挙でも当選を果たすための準備行動だからだ。
そして、有権者の中でも情緒性の高い方などは、この「お詫び行脚=禊」ととらえ、投票行動に反映してしまう、ということが何度も繰り替えされてきた。
有権者が悪いのか、このような「潔白アピールパフォーマンス」をすることが、政治家の仕事だと思い込んでいる政治家が悪いのか?という、「コロンブスの卵」的話は別にして、このようなことが繰りかえされてきた、という事実と結果は理解する必要があるだろう。
今回の「パーティー券裏金問題」に関して、一応の決着として「裏金問題5人衆」ではなく、その5人衆の秘書さんや会計担当者に対する起訴というカタチで決着しそうな雰囲気になっている。
だからこそ、西村前経済産業大臣は、地元で「お詫び行脚」のようなパフォーマンスをし、有権者の同情を買おうとしたのだろう。
このような事件が起きる度に感じることなのだが、政治家の秘書や会計担当者が自分の雇用主であり、仕事の命令者となっている議員に、報告をしていなかった、ということはまずないのでは?ということだ。
少なくとも、1回は相談があったはずだ。
何となくだが、この時のやり取りは「このお金がどんなお金なのか、わかるだろう。その意味に沿って処理をしてくれ」というような、曖昧で忖度を要求するような言い方の指示をしていたのでは?という気がしている。
このような「曖昧で相手に忖度を求める言い方」というのは、実は日本の社会文化の悪い「暗黙の了解」となっている、と感じている。
そしてこの「暗黙の了解」を得やすい関係というのは、主従関係であるということだ。
とすれば、このような「曖昧で忖度を要求し、暗黙の了解の上で行われていた」ということを、秘書さんや会計担当者は、はっきりと言う必要があるのでは?
このままでは、秘書や会計担当者だけが「スケープゴート」のようになり、当の本人は「詰め腹を切らせれば、何とでもなる」という程度にしか考えず、自分の保身と安泰でのうのうと議員の席に居続ける、ということになる。
言い換えれば、問題を起こした渦中の本人たちは全く反省もしていなければ、自分の仕事仲間であるはずの秘書や会計担当者に対する「雇用主としての責任」等、全く感じていないということなのだ。
そのような環境で、「先生の為」という昭和の考えは捨てるべきではないだろうか?
何故なら、スケープゴートにされた秘書や会計担当者にも家族があり、その家族の為にも「自分の名誉を守る」ことが重要だからだ。
「情としての部分」ではなく「職務とご自身とご家族の名誉」の為に、是非声を上げて欲しい。