今朝の新聞に、「宏池政策研究会」の解散を岸田首相が明言をした、と報じられていた。
他にも、今回の「裏金問題」の中心となった旧安倍派も派閥解消を検討している、という趣旨の内容も含まれていた。
そして午後、二階堂派等自民党の主力派閥が次々と解散を表明している。
確かに今回の「裏金問題」の温床になったのは、派閥が主催する「パーティー券」によるものだった。
なので「派閥を解消する」ことで、この問題は解消するかのように見えるのだが、そうではない。
問題は、「選挙にお金がかかる」という理由で、政党助成金等国民が供託する政治活動費では賄えない為、それを補填するために「パーティー」を開く名目で「資金集めをし、それをキックバックし、帳簿上無記載し、政治家が自由に使えるお金」を「裏金」として貯め込んでいた、という点が問題になっているのだ。
「派閥解消=裏金問題解消」ではない。
メディアを含め「派閥を解消したのだから、この裏金問題は一件落着」のような書き方は、有権者を小バカにしているし、問題の本質を見誤ってしまうような「誘導報道」になってしまっている。
あくまでも「派閥解消」は、「裏金作りの温床となるパーティー」を催しにくくなるだけの話で、ほとぼりが冷めた頃違う手法で「裏金作り」に励む政治家たちは、数多くいるのではないだろうか?
それほどまでに、有権者は自民党だけではなく政治そのものに不信感を持ってしまっているのだ。
おそらく、岸田首相は「宏池政策研究会」の帳簿記載ミスが発覚した時から、いち早く派閥を解消させることで、内閣支持率アップを狙っていたのでは?という気がしている。
今のような自民党の状況では、派閥解消により自民党の刷新の印象を与えることは、これほどまでに支持率が低下している岸田首相にとって「起死回生の一打」となるはずだからだ。
それだけではなく、自民党内における影響力の回復を狙うこともできる。
そのような心づもりがあっての「派閥解散」なのでは?と、穿った見方をしてしまうのだ。
だからこそ、次々と「派閥解消」の声が上がり、「裏金問題」の収束を図りたい、という自民党の意図が見え見えなのだ。
「派閥」の素となってしまう「勉強会」そのものは、あってもよいと思っている。
問題は、「勉強会」と称して、集金組織となり、集金したお金を収支報告もせず、自由に「選挙にお金がかかる」という理由で、選挙資金に充てる、ということが問題なのだ。
以前問題になった2019年の衆議院選挙における、河井案里候補へ提供された1億5千万円というお金の出どころが、未だに不明なのはおそらくこのような「裏金」から出されたモノだからだろう。
流れの分からないお金は、元をたどることができないからだ。
このようにして、自分の子飼いになるような候補者を候補者として立て、潤沢な選挙資金を提供する代わりに国会では資金提供をした派閥に属し、考えもないまま賛成をする、という「数合わせの政治」を行っていた、というのもまたこれまでの自民党政治の典型だたようにも思える。
政党そのものが、「政治と真剣に向き合う」ことをしなくては、この問題の一部は解決しないだろう。
そして「お金のかからない選挙」を政治家自身が考え、行うだけではなく「どれだけ選挙にお金がかかりました。政治活動にかかったお金はこれです」という、1円単位までの情報公開が必要なのではないだろうか?
政治家自らが襟を正さなくては、有権者の政治不信は終わらないと思う。