日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

これから必要になるのは「考える力」

2018-12-23 14:56:40 | ビジネス

年の瀬となり、新聞やテレビなどでは「今年を振り返る」という記事が目立つようになってきた。
その中で取り上げられるであろう一つが、「スポーツ界での暴力事件やパワハラ」だろうか?
特に今年の春起きた「日大アメフト部反則タックル」事件は、今年起きたスポーツ事件を象徴するような事件だったかもしれない。
最近は、話題にもならなくなった事件だが、事件が終わったのか?といわれると、まだまだ終わっていないのでは?という気がしている。
何故なら、この事件をきっかけに「スポーツ指導者と選手」という関係が、優秀な選手を育てる為には「暴力を伴う指導もあり」という肯定感がいまだにあるように思えるからだ。

このような「暴力を伴う指導」をされる指導者の多くは、選手時代にトップで活躍された方が多い。
選手時代の実績が、その指導能力のように思われ続けてきた、というのが今までのスポーツ界の常識だったのかもしれない。
そのようなスポーツ界の常識(?)にも変化が出ているようだ。
Huffpost:真の指導者は、教えない。プロ野球・吉井理人コーチが明かす『勝手に成長する人』の育て方

記事の内容の半分くらいは、吉井さんが書かれた本の宣伝を兼ねているような気がするのだが、それでもインタビュー内容は考えさせられるものがある。
何より、タイトルとなっている「真の指導者は、教えない」という言葉は、スポーツ界だけではなく、ビジネス界についても同じことが言えるのでは?という気がしている。
インタビューを読んで感じることは「考える力」ということだ。

ビジネスの世界でも、新人を育てる為には「手取り足取り教える」場合が多い。
確かに、経験もなく知らない世界なのだから、「手取り足取り教える」必要があることも少なくはない。
ただそこで注意したいのは、「思考停止に陥らせない」ということなのではないだろうか?

「ハラスメント」の代名詞となっている「ブラック企業」の場合、働く人たちの多くが「思考停止」に陥っていることが多いように思う。
正しく言うなら「考える力すら無くしている」働く側と「考えさせないようにさせている」指導者、という関係ということかもしれない。
「反論すると、ペナルティー(もしくは懲罰)を与えられる」という恐怖心などが、「思考停止」をさせる原因といわれているが、そのような指導者側もまた「思考停止」をして、自分が与えられたペナルティー(や懲罰)の体験を相手に与えているだけ、ということにも気づかない、という状況なのではないだろうか?
指導する側も「思考停止」に陥り、指導を受ける側に「思考停止」を命じている、という主従関係が「ハラスメント」の遠因になっているのではないだろうか?

とすれば、これからは指導する側も指導される側も「思考する、考える力」を持ち、コミュニケーション力をつけることが「強い人」を育てることになるような気がする。