日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

マーケティングの役割

2018-12-05 20:47:07 | ビジネス

毎日新聞のWEBサイトを見ていたら、凄いな~という記事があった。
記事を読み進めているうちに、この「凄いな~」をどうしたら市場に出せるのだろう?と、考えるようになった。
凄いな~と思った記事は、「ミノムシから世界採用の糸」という内容だ。
毎日新聞:ミノムシから世界最強の糸 クモの糸よりも強く丈夫 興和など開発

これまで「世界最強の糸」といわれていたのは、クモの糸だ。
そして「クモの糸」の量産に成功したのは、山形のベンチャー企業だった。
Huffpost:山形のベンチャーが世界初!クモ糸量産化成功の快挙

クモの糸といっても、昆虫のクモが吐き出す糸ではなく、クモがつくりだした糸と同じタンパク質を生成した糸だ。
強いと言っても繊維としてしなやかで、服の生地としても十分に使えるという素材だった。
それに対して、ミノムシからつくられた「世界最強の糸」は、蚕からつくられたつくられた絹と同じような生産方法でつくられる。

これらの情報から、
①日本の養蚕産業の復活の切っ掛けになるのだろうか?
②そのようにしてできた「糸」は、何に使えるだろうか?
③アパレルであれば、どのような場面で着る服が想定されるのだろうか?
④他にはどのような産業が考えられるのだろうか?
これらの需要となるのは何か?
といったことが、次々と思い浮かび「新しい市場」になるのか?とすれば、それを必要としているのは誰なのだろう?と、考えが広がっていく。

おそらく、このような発想がマーケティングの役割なのだと思う。
日本の場合「人の生活を豊かにする」という視点で、このような発想がされることが多い。
これはとても日本的で、軍事産業が盛んな国とは違う発想だと言われている。
そして今世界で求められるマーケティングの発想というのは、このような日本的発想であり、それがマーケティングの本来の役割なのでは?と、思っている。