日々是マーケティング

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これがプラダのデザイン?

2018-12-18 18:13:44 | アラカルト

企業には「企業文化」と言う言葉があるように、その「企業らしさ」のようなものがある。
例えば、トヨタ自動車でいうなら「ファミリーカーのトヨタ」というキャッチフレーズに始まり、今は「運転をする楽しさを」という意味の「Fun To Drive」を使っている。
最近の何でも「スポーツ」に結びつける戦略は、生活者の気持ちをキャッチしているか・どうかは別にして、このようなキャッチコピーやデザインは、その「企業らしさ」を表しているといっても過言ではないと思う。
もちろん、時代の変化と共にそのイメージやデザインは変わってはいくが、基本的な姿勢は変わらない。
何故なら、それが「ブランド」であり、企業にとっての「見えざる資産」となっているからだ。

それが、ファッションブランドとなれば一番生活者が注目をするのは、「デザイン」ということになる。
時折、奇をてらい過ぎて「何だかな~???」と思うようなデザインが、無いわけではない。
12月のクリスマスシーズンに発表される様々なグッズに関しては、「企業らしさ+遊び心」のあるデザインのギフト向け商品が、多くの生活者の目を楽しませるのが、定番となっている。

今回、プラダが発表したキャラクターデザインが、様々な意味で話題となっている。
Huffpost:「黒人差別」との批判で、プラダが販売を中止したキャラクターとは?

このデザインが発表されるや否や、「黒人差別」として販売中止に追い込まれている。
指摘をされたのは「ブラックフェイス」と呼ばれる、長い間黒人を揶揄したようなキャラクターを彷彿させる、という点だ。
いくら「架空の生物」という設定であったとしても、キャラクターとしてはどうなのだろう?
「黒人差別」というよりも、「これがプラダがデザインしたの?」と感じるほど、これまでのプラダのデザインイメージとは大きくかけ離れているように感じるのだ。

これが白く塗られた木製のキャラクターだったら、「黒人差別」とはならないのか?などの議論の余地はあるとは思うのだが、それよりも気になったのが、「プラダらしさ」とは何だろう?と思わず考えてしまうような、キャラクターデザインという気がするのだ。
ちなみに他のクリスマス向けギフトは以下のサイトで見ることができる。
ファッションプレス:プラダのクリスマス向けギフト「プラダマリア」不思議な生き物たちが登場するレザーグッズなど

遊び心のあるデザインといえば、言えると思うのだが「プラダ」という、イタリアの高級ファッションブランドのデザインと考えると、やはり「どうなのだろう???」という、気がしてしまう。
もしかしたら、このようなデザインは日本人のほうが向いているのでは?と、思ってしまうほど違和感というか「プラダらしさ」が感じられない。
このような感想は、あくまでも個人的主観に影響されていることなので、一概には言えることではないとは思うのだが、拙ブログにこられる方は、どのように感じられるのだろうか?

何より、「プラダ」のパッケージをワクワクとして開けた時、そのワクワク感は残るだろうか?
ギフト商品というのは、貰った時のシチュエーションからパッケージのリボンをほどき、パッケージを開け、贈られたモノを見て、「嬉しい」という笑顔までが、一つのストーリーとなって考えられている(はずだ)。
このキャラクターには、そのようなストーリーが描けるだろうか?

「黒人差別」という、人種差別的デザインというよりもまず、「プラダらしさ」が感じられないデザインという気がするのだ。