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新しい「エネルギー技術・システム」の奪い合いが来る?

2017-07-27 19:53:40 | ビジネス

ここ、数週間「ガソリン車」についての記事を、目にすることが多かった。
フランス、イギリスなどは将来的にはガソリン車を廃止し、EV車へと移行させたいというニュースが、相次いで報じられた。
東洋経済オンライン:イギリス、2040年「ガソリン車禁止」の衝撃 ロイター

「2040年までにガソリン車禁止」ということなので、まだまだ時間的余裕があるような印象を受けるが、実際にはそれほど余裕があるという状況ではない。
ガソリン車が禁止となった場合、おそらく移行するクルマはEV車ということになると思う。
EV車=電気自動車となると、ガソリンスタンドならぬ「充電スタンド」の設備が必要になる。
その「充電スタンド」で供給される「電力」は、どのように「つくるのか?」という問題がまずある。

「ガソリン車禁止」の大きな理由は、CO²の削減(=地球温暖化対策)だ。
とすれば、供給される電力もCO²削減の対象とならなくては、意味がない。
これまでのような「火力発電」による「電力供給」はもちろん、欧州で進められている「脱原発」の動きを考えれば「原発」による「電力供給」についても、基本外されるべき「電力供給減」となるだろう。
残るのは、「循環型自然エネルギー」ということになると思うのだが、太陽光発電や風力発電などは「安定供給」という点で問題がある。
もちろん、蓄電技術が進み自然エネルギーによる安定的な電力供給ができるようになれば、問題はない。
その技術が2030年ごろまでにできるのか?
全面禁止の10年前に想定しているのは、2040年にはガソリン車がすべて無くなる為の時間が、必要だと考えているからだ。

日本の自動車メーカーがこれまで力を入れて開発をしてきた、「ハイブリッド車」や「プラグイン・ハイブリッド車」などは、欧州の市場では撤退を余儀なくされるのでは?という、懸念もある。
当然、そのような変化を見据え、各メーカー側は何らかの技術開発をしているとは思うのだが、世界的(トランプさんのアメリカは別かもしれないが)に、ガソリン車からEV車へと政治的に舵を切っているとすれば、「自動車におけるエネルギー技術とシステム」の奪い合いが、始まるような気がしている。

トヨタの「ミライ」やホンダが開発中だと言われている「水素自動車」などは、これから先有望な「エネルギー技術」と言えるかもしれない。
それは、これまでのような「火力発電・原発」VS「自然エネルギー」というような考え方ではない、「新しいエネルギー技術開発」のような気がしている。
果たして日本の企業は、その「技術とシステム」を構築し、世界の標準となることができるのだろうか?