日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「こんな人たち」が突き付けた、投票結果

2017-07-03 20:48:17 | アラカルト

昨日、投開票が行われた「都議選」。
結果はご存じの通りだ。
民進党は、議席数を減らしたものの議席「0」は、何とか避けられたようだ。
公明党については、改めてなにかをいう必要はないと思う。
基本「選挙の風」とは、関係のない党だと思っている。

そして、大幅に議席数を減らしたのは、朝からニュースや情報番組で取り上げられた自民党だ。
安倍さんなどは、「政権与党として5年が経過し、自民党のゆるみに対して」という趣旨のことを話しているようだが、本当にそれだけだろうか?

小池さんが都知事選に出馬した時から、実は自民党に対する逆風が吹いていたのではないだろうか?
自民党都議連のドンと言われた人物や腹心と言われた人たちが、小池さんに対して示した態度に「政党幹部として、どうなの?」という疑問を都民に与え、ネガティブなイメージを植え付けたのでは?
実際、小池さんが大勝して都知事になると、初登庁の日には慣例となっていたはずのお出迎えも無し。
小池さんからの握手すら拒んだり、大人げないという一言では済まされないような態度が数々あった。

もちろん、決定打となったのは「森加計問題」に端を発した数々の問題と、自民党国会議員さんたちの暴言・暴力のニュースだっただろう。
それに追い打ちをかけたのは、投票日前日に安倍さんが街頭演説で思わず言ってしまった「こんな人たちに負けられない」発言だったのでは?
「こんな人たち」というのは、安倍さんが街頭演説をしている最中「安倍、帰れ」などのシュプレヒコールなどをした人達のことのようだが、いくら頭に血が上っていたにしても「こんな人たちに負けられない」という発言は、問題だったような気がする。
何故なら、「こんな人たち」が翌日の投票日に投票をする人達だったからだ。
中には東京都民ではない人たちもいただろうが、ニュース映像として多くの東京都民が観た時「こんな人たち」という言葉を「自分たちに向けて言った言葉」だと感じた、選挙民は多かったのではないだろうか?

更に悪いことに、今日菅官房長官が「(安倍さんの)こんな人たち」発言に、問題がないと記者会見の場で言っている、という点だ。
中日新聞:首相のやじ批判、問題なし 菅氏「極めて常識的」

確かに「安倍、帰れ」などの言葉は、「中傷した」とはいえないが、誹謗した言葉なのかもしれない。
問題なのは「こんな人たち」という、聴衆を見下したような印象を与える言葉を思わず言ってしまっている、という点なのだ。
それを、首相の女房役とも言われる官房長官が、「問題ない」と言ってしまうのは「自民党は、国民を見下しているのが常識なのですよ」と、言っているような印象を与えてしまっているのでは?

「こんな人たち」が突き付けた投票結果を、冷静に客観的に考える必要があるような気がする。