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社会を変える力があるかもしれない、CM

2017-07-11 21:05:29 | CMウォッチ

昨日、「炎上(狙い)CM」という内容で、エントリをした。
「炎上」という話題で、商品を注目させる狙いで、あえて「(生活者が)不快」だと感じさせ、SNSなどで商品名を拡散させる、という手法だ。
サントリーの「頂」というWEBのCMだったのだが、サントリーは以前から「炎上商法」と噂されるコトがあった。
それが、「好評につき、生産が追い付かず一時商品出荷を見合わせる」という、広告だ。
サントリーの場合、このような「お詫び広告」を出すことが最近多い為、「あえて初回生産を少なくして、話題づくりを狙っているのでは?」という、指摘もされている。
「生産が追いつかない」為だとは思うのだが、度重なると生活者は「炎上商法なのでは?」と、疑ってしまうというコトだろう。

昨日の「炎上CM」とは全く違うテレビCMの記事が、Huffpostに掲載されていた。
企業の商品CMではなく、テレビ局が制作した一種の「社会啓蒙」という目的を持ったCMだが、このようなCMが社会を変える力になるのかもしれない、と感じる内容だった。

Huffpost:「私は死ねない」葛藤と覚悟をうつすテレビCM LGBT当事者も「勇気をもらった」の声
東海テレビ:「この性を生きる」

このテレビCMを製作したのは、名古屋にある「東海テレビ(フジテレビ系)」だ。
CMとしては長い4分以上あるため、「テレビCMを見ている」というよりも、「ショートドキュメンタリーを見ている」という錯覚に陥る。
ただ映像から感じられるのは、制作者側の真摯な思いだ。
「社会を変える!」というような意気込みよりも、ありのままの姿を見てもらうコトで、LGTBの人たちが特別な人たちではない、というコトを伝えている。
だからこそ、このようなテレビCMが社会を変える力になるのでは?という、気がするのだ。

CMと言っても、昨日エントリをしたような「生活者を狙いすました」ようなCMは、今の生活者はすぐに制作者側の驕りのようなものを感じ取ってしまう。
「真摯に伝えたい」という思いがあるCMは、受け手となる生活者にもその気持ちが伝わるのでは?
そんな気がする優れたCMだと思う。