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人気キャラクターの引退。ブランドに与える影響は?

2016-12-13 17:02:20 | ビジネス

讀賣新聞のWEBサイトに、ある人気キャラクターの引退の記事があった。
人気キャラクターとは、ベビースターラーメンの「ベイちゃんとピーちゃん」だ。
讀賣新聞:ベビースターラーメン、「ベイちゃん」ら引退へ

今現在の「ベイちゃん」は、二代目ということだが、1988年に登場して以来30年近く「ベビースターラーメン」という商品の「顔」として、活躍をしてきたということになる。
現在の「ベイちゃん」しか知らない、という方のほうが多いのではないだろうか?
それほど長い間、「商品の顔」として親しまれてきたキャラクターを引退させる、ということは、企業側にとって「大英断」だったはずだ。

例えば、今年「イソジンのかばくん」が、「イソジン」から消えた。
現在でも「かばくん」は、うがい薬のキャラクターとして活躍をしているが、その商品は「イソジン」ではない。
長い間起用してきた「明治のうがい薬」のキャラクターとして、現在活躍中なのだ。
多くの人にとって「イソジン=かばくん」という、イメージために「イソジン」側としては、継続して起用したかったはずだが、「かばくん」そのものの使用権は明治側にあったため、起用するコトができず、現在は新しキャラクターを使っている。
ただ残念なコトに、「イソジンのうがい薬」は知っていても、今のキャラクターを思い浮かべるコトは難しい(のではないだろうか)。

「イソジン」の例のように、「商品の顔」として長い間起用されてきたキャラクターは、想像以上に「ブランド力」を持っている。
そのキャラクターを見れば、商品を思い浮かべることができるからだ。
違う言い方をするなら、「キャラクターそのものが、ブランド」と考えることができる。

そう考えると、今回の「ベイちゃん」の引退は、一時期的かもしれないが「ベビースターラーメン」という商品に与える影響は、大きいかもしれない。
それだけではなく、「ベイちゃん」の後を引き継ぐ新しいキャラクターが、「商品の顔」として認知されるまでにかかる時間は、「ベイちゃん」以上かもしれないのだ。

企業が「商品の顔」として起用しているキャラクターもまた、企業にとっては「資産」の一つであり、その「資産」を成長させていくのは、生活者とのコミュニケーションだ。
「人気キャラクターを引退させ、新しいキャラクターを起用する」ということは、企業側からの「変化」を示すことかもしれないが、生活者とのコミュニケーションツールとしての「キャラクター」という「資産」の扱いは、慎重になる必要があると思う。