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DeNaに、法王の言葉は届いたのか?

2016-12-08 21:22:56 | アラカルト

毎日新聞のWEBサイトに、ちょっと変わった記事が掲載されていた。
毎日新聞:世界の雑記帳「ローマ法王がメディアに強い警告、偽りの情報拡散は罪」
ローマ法王が、このような話を過去されたという記憶がない。
それだけ、メディアに対して思うところがあったのだろう。

SNSの利用が一般的になってきたコトで、メディアそのものの社会的影響力が、変わり始めている。
それでも、テレビや新聞などから発せられる「情報」は、それなりの信憑性があり、多くの人が信頼する情報源となっている。
なぜなら、「情報収集のプロが、裏を取って(確認をして)報じている」と、信じているからだ。

ところが最近目に付く言葉の一つに、「マスゴミ」がある。
ご存じの通り「マスコミ+ゴミ」の合成語だ。
情報として信用ができない、とか政治家や企業など、それなりの社会的権力(?)を持った側の「言いなりになっている」という疑念を持たれたり、ゴシップ記事でお茶を濁すような内容に不満を感じている人たちを中心に言われている言葉だ。
それだけ、メディアそのものが信用されなくなってきている、ということを示す言葉かもしれない。

この時期に、ローマ法王がこのようなコメントを出した、ということに注目する必要がある。
米国の次期大統領に決まったトランプ氏に対する、選挙期間中の「誤った情報」がトランプ氏を次期大統領にさせた、ということを記事では書かれているのだが、トランプ氏の米国次期大統領に決めたのは、全米全体に渦巻く社会的不満層から支持を得た、というところが本当のところだろう。

興味深いのは、DeNAが運営する「WELQ」という医療関係のまとめサイトが炎上し、経営陣が謝罪をした日に掲載された、という点だ。
もちろん、ローマ法王はDeNAの炎上などは、知る由もないだろう。
ただ、今のネット上に飛び交う情報というのは「半マスコミ」のような存在が、大きいのかもしれない。
上述した通り、「マスコミ」そのものへの信頼度は低下しつつある。
その代わりに「信頼できる情報源」として、SNSなどに投稿された内容を信頼する、という傾向がみられるのも事実だろう。
特に医療関係のまとめサイトなどは、利用者が「藁をもつかむ」気分でアクセスしてくる。
このような場合、「自分にとって都合の良い情報」を見つけると、安心をし信用しやすくなってしまう。
そのため、間違った情報が並びやすい傾向がある、と医療者側からの指摘があるのも事実だ。

「メディア・リテラシー」という言葉は、随分前からある言葉だと思うのだが、ローマ法王という立場の方が警告をするほど、状況は深刻なのかもしれない。
SNSを含む「情報リテラシー」を磨くためには、やはり同じテーマの内容を複数集め・読むというローテックな方法が近道なのかもしれない。