日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

理想と現実のギャップを埋める働き方とは?

2016-12-12 20:43:31 | ビジネス

朝日新聞のWEBサイトに、関連する2つの記事が並んで掲載されていた。
朝日新聞:「部下の時間奪うのは上司」働き方シンポに企業首脳ら
    :今度は「プレミアムフライデー」来年2月から実施へ

「部下の時間を奪うのは上司」という記事に登場する企業は、いわゆる有名企業というか、企業規模が大きくそれなりの収益を上げている企業だ。
数年前から盛んに「ダイバーシティ―」という言葉が使われるようになり、「企業も多様な価値観を持つ人達が集まることで、グローバル時代に対応する必要がある」という認識は、されてきたような気がする。
気がするのだが、実行できている企業はどれほどなのだろう?という、疑問を常々持っている。
というのも、「電通事件」のように「人を使う」ということばかりに、気を取られているように感じるからだ。

確かに「企業と従業員」の関係は「使う側と使われる側」なのだが、「人材を活かす」という視点での「雇用関係」にはなっていない企業のほうが多いように思うのだ。
その顕著な例が、上述した「電通事件」だったように思う。

そう考えると「部下と上司」の関係は、とても重要だと思うのだが「部下の時間を奪う上司」というのは、どのような上司なのだろうか?
「部下の時間を奪う上司」とは、どのような人物なのだろう?
不必要と思われる資料を、たくさん作らせる人物だろうか?
会議好きな人物か?それともやたらと部下の行動にチェックを入れたがる?その逆に仕事のチェックをしないが、相談にも乗らない人物か?
おそらくこれらの上司というのは、自分自身もそのような上司に「時間を奪われてきた」のではないだろうか?
自らの経験が「部下の時間を奪う」ことになっているように、感じるのだ。

また「部下の時間」とは、一体なんだろう?
なんとなくだが、「部下と上司」という限定的な関係ではなく、ダラダラと仕事をする(させる)ような職場環境を作り出している、ということのような気がするのだ。

そのような「ダラダラと仕事をする」環境を打開し、経済活動に振り分ける・・・という目的となるのが、2つ目の「プレミアムフライデー」ということなのかもしれない。
確かに通常よりも早い時間で仕事を終えるコトができれば、その分買い物に出かけたり旅行に行ったりすることができるかもしれない。
月末の金曜日だけなので、その他の曜日に仕事を詰め込むほどでもないだろう。
ということは、それほど効果もないのでは?という気がするのだ。

そもそも今の生活者の「消費スタイル」は、以前とは大きく変わってきている。
百貨店などで買い物をせず、実店舗で商品をチェックしネット通販で実際の商品を購入する、という人たちが増えていることを考えれば、終業時間を早めたからと言ってそれほど経済活動に影響があるとは思えないのだ。
買い物などではなく、美術館や映画館、コンサートなどに行く時間に充てるような提案のほうが、良いのでは?
部下のクリエイティブを刺激するようなことを勧める上司であれば、「部下の時間を奪う」ということも無いと思うのだ。