日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「都会VS田舎」という発想は、時代おくれかもしれない

2013-04-09 08:12:18 | ライフスタイル
しばらく前だったと思うのだが、新聞に「地域別高齢者割合予測」のようなデータが掲載されていた。
内閣府発表「地域別に見た高齢化(注意:pdfファイル)
「少子高齢化社会」となっている日本の未来像として考えると、ある程度予測が付く内容だった。
ただ新聞などで問題にしていたのは、「都市部における高齢化」だった。
地方にいけばいくほど、高齢化社会は当たり前になってきており、これ以上進みようが無いほでは?と思えるほどの状況になりつつある。
だからと言って、都市部での高齢化が進んでいないのか?と言うと、決してそうではないと思う。
そんな人口変化について、毎日新聞に興味深いコラムが掲載されていた。
毎日新聞風知草「都市と田舎は逆転する」東京版朝刊

コラムにある様に、既に高齢化社会となった地域とこれから高齢化社会になる都会とでは、その受け皿となるコミュニティーの充実度や生活基盤に対する安心感の違いはあると思う。
現在、独居老人状態の父には同じような友人がおり、互いに行き来をしている。
ご近所そのものが高齢者世帯が多いので、互いに様子を見守ると言う意識も高い。
都会の生活では、なかなかその様な「ご近所付き合い」ができていないだろうし、何より今現在世帯そのものが若いので、高齢者となった自分の生活を想像すること自体、難しいのではないだろうか?
それが、コラムで指摘している点だと思う。

しかし、それだけで「都市と田舎が逆転する」のだろうか?
例えば、公共交通機関。
田舎に行くと、公共交通機関という生活に欠かせないインフラが壊滅状態になりつつある。
自治体が「コミュニティーバス」などを運営し、何とか生活の足を確保する努力はしているものの、維持する為の費用捻出に苦労をしている、と言うのが実態だろう。
とすれば、やはり公共交通機関がそれなりに充実している、都会の方が生活そのものは安心できるのでは?
何より人口の流動性ということを考えると、この統計がその地域の未来像だとは言えないと思うのだ。

いずれにしても、日本は既に「少子高齢化社会」になっている。
今後よほど出産率が急上昇しない限り、歯止めが掛からないだろう。
日本全体が「高齢者社会になる」と言うことは、想像ができることだ。
「都会VS田舎」という発想では、近い将来の「高齢者日本」対策にはならないと思う。

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