日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

地域限定広告と企業の社会貢献

2012-11-28 14:04:20 | ビジネス
昨日、実家のある米子から戻ってきた。
実家へ帰省する時利用するのが、近鉄と高速バス。
昨日近鉄に乗り換える時、何気なく購入したペットボトル入り緑茶のパッケージを見て、考えるコトがあった。

私が購入したのは、伊藤園の「お~いお茶」。
パッケージを見たところ、通常のものと変わりないような感じがした。
電車に乗り込み、一服!という感じで飲もうとしたところ、いつもとパッケージが違うコトに気がついた。
関西限定の「お茶で琵琶湖を美しく」と言う、キャンペーンボトルだったのだ。

伊藤園がこの様なキャンペーンを5年も続けている、と言うコトを関西に住んでいない私は、知らなかった。
気になって伊藤園の本社をパッケージで確認すると、関西では無く東京。
では何故、琵琶湖なのだろう?
そんなコトが、次に気になったのだ。

サイトを見ても、その理由となるモノは無い。
茶葉の契約農家が滋賀県にもあるようだが、理由としては弱いような気がする。
心当たりとなるのは、「琵琶湖」が抱えている問題とその水系で暮らす人達の多さだろうか?
日本のお茶文化の発祥とも言われる京都は、琵琶湖水系から取水していたと記憶している。
ご存じの方も多いと思うのだが、「琵琶湖」は日本の環境問題の縮図のようなトコロがある。
一つは「外来生物」による、日本在来種の危機的状況。
もう一つが水質汚染。

伊藤園が取り組んでいるのは、水質汚染を葦を植え、管理するコトで浄化するというコトのようだ。
「自然の力を利用して水質浄化を進める」と言う発想は、食品を扱う企業ならではだろう。
他にも「茶殻リサイクル」に取り組むなど、食品を扱う企業らしい取り組みもしている。
そう考えると、伊藤園と琵琶湖を結び付けているのは「美味しさをはぐくむ」というコトなのかも知れない。

「琵琶湖」という、日本一大きな湖というだけでは無く、その水系で暮らす人達の多さを考えると、水が美味しさの決めての一つとなる緑茶飲料を作っている企業として、大きな意味のある活動のように感じる。

この伊藤園のように、地域限定の社会貢献と言うのもこれからの企業活動においては大切になっていくだろう。
特に事業規模が大きく無い企業にとって、自分たちの企業の地域での社会貢献は、とても重要になるだろう。
なぜなら、企業そのものが地域から愛されるような存在にならなくては、企業そのものが社会活動をするコトが難しくなってきているからだ。
決して大きな活動である必要は無いと思う。
むしろ、地域の人達と一緒になって行う社会貢献が、その企業を大きく育てると思う。

それにしても、何故琵琶湖なのかやはり気になる・・・。