日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ZOZOTOWNの送料無料化よりも

2012-11-12 18:48:38 | ビジネス
ZOZOTOWNの送料が、購入金額に関係無く無料となった。
そして、同業者さんたちは「送料無料」に対して懸念を示している、と言う。
確かに、通販で商品を購入すると、ある一定額以上購入しないと、送料が無料にはならない。
もちろん、キャンペーンとして、送料無料という時はあるがカタログ通販の頃から、基本的には変わっていない。

ZOZOTOWNの送料無料化で、他社が懸念するのは「必要な物を最低限購入」という利用者が増える、と言うコトなのかな?と、思ってみたりしている。
その「必要最低限購入」によって送料負担が増えるだけでは無く、送料無料金額設定による「今は必要無いけど・・・買っておいても良いかな?」と言う「ついで買い」が減ってしまう、と言う懸念があるのかも知れない。

ただ利用する側として、そんなコトよりも忘れていることはありませんか?と言うコトがある。
それはZOZOTOWNのような「ブランド扱い中心」の通販に見られる傾向なのだが、購入対象者の設定が狭い、と言う気がしているのだ。
確かに、ファッションなどに対して興味関心が高いのは、10代~20代、30代前半だと思う。
しかし、この世代よりもファッションに対して興味関心が高い世代がある。
それは今の50代前後~60代だ。
60代の人達は、10代の頃「アイビーファッション」に目覚め、大学生の頃は「フラワーチルドレン」と呼ばれた世代。
その下の世代は、20代の頃「DC(デザイナーズ&キャラクターズ)ブランド」で街を闊歩下世代でもあり、バブル経済の最大の恩恵を預かり海外旅行で海外の有名ブランド品を買い漁った(というと、言葉が悪いのだが)世代でもある。

そんな人達の多くが、子育てが終わり経済的にもゆとりを持ち始めているにも関わらず、その世代向けのファッションの提案がほとんど無い、と言うのが現状ではないだろうか?
と同時に、女性の中には自分が若かった頃のままのファッションでいると言う、やや残念な傾向の方もいらっしゃるのも事実なのだ。
最近女性週刊誌で取り上げられていた「変われない女たち」と、言われる女性たちだ。
世間で「美魔女」などと、もてはやされる女性たちを見ながら「でも、どこかイタイよね。無理して若作りしてるって感じ」と、冷静に見ている若い人たちの存在を気にしている、現実的な女性達も多いと思う。

ファッションを楽しむのは、若い世代の特権では無いはずだ。
むしろ、素材など十二分に知っている世代だからこそ、通り一遍のネット通販の見せ方では、満足できないと言う人のほうが多いだろう。
そういう人に向け、何故積極的にならないのだろう?
ZOZOTOWNの送料無料で戦々恐々するのであれば、ZOZOTOWNを対象としない層を考え、アプローチをすべきだと思うのだが・・・。