日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

派遣社員の復讐が始まるのか?

2009-02-02 20:58:54 | ビジネス
今日、「AERA」を読んでいて気になる記事があった。
それが「いすゞ派遣切り『復讐』」と言う特集記事だ。

これまで「派遣切り」というと、単純に「(主に)製造業に従事している短期派遣(だが、契約継続により、長期派遣となっている場合が多い)への、中途契約解除」や3月に起こるであろう「大量の期間満了→継続契約なし」というコトだった。
何よりも「派遣社員」がこれほどクローズアップされてきた背景には、現場に対する企業のモノの見方が余りにも、「人的ではない」というコトが露になってきたからだろう。
しかし、切られる派遣社員も我慢に絶えているだけでは無いようだ。

ここで考えなくてはいけないのは、企業の中に「階層がはっきりと生まれ、その階層より下にいる人に対して、どのように接してきているのか?」という、一種の企業文化的な問題点が内在しているのではないか?と言うコトだ。

以前、「女と男の脳の違い」についてエントリさせてもらった事がある。
その時、男性の思考には「権威主義・肩書き重視的思考が強い」というコトを、書かせてもらった。
その「権威主義・肩書き重視的思考」が、企業内での「階層」を作り上げ(もしかしたら、官僚の世界の方がもっと強いかも知れないが・・・)、それまでのキャリアや社会経験、思考の違いに対する柔軟性を評価せず、『上から目線』で人をモノのように見ているのではないだろうか?と言うコトが、今の派遣切りのもうひとつの問題となっているような気がするのである。

そして、企業内での最下位層にいる派遣社員は、そのコトに対して「モラル低下」による、「ウソの引継ぎ」などを社員達にし始めている、と言う現状が記事の中にあった。
その結果として「日本のもの作りの崩壊」を招き始めているのでは?と言う指摘で、記事は終わっているのだ。

これは「いすゞ自動車」に限ったことなのだろうか?
もしかしたら同様のことが、今回の「派遣切り」で話題になった「日本の名だたる企業総て」において、コトの大小はあるにしても起きている(起きる可能性がある)コトなのではないだろうか?と言う、一抹の不安を覚えたのだ。
そして、「切ってしまった派遣社員がウソを教えたので、不良品が出来ました」などと言う、言い訳は企業としては出来ないことだし、そのような企業からモノを買うほど生活者は甘くはない。

もう一度、「働く」という基本的なコトを、人も企業も考えなくてはいけないのではないだろうか?