日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

家族の肖像-男性主役のテレビCM-

2008-05-20 21:10:37 | CMウォッチ
しばらく前から、気になっている事がある。
それが「男性主役のテレビCM」が増えてきている、と言うコトだ。
これまでも「男性主役」はあった。
髭剃りやメンズコスメ、ビールやクルマのCM等は、昔から「男性主役」のテレビCMだった。
今回話題にしたいのは、これまで「女性がCMをしていて当たり前」といわれる商品CMに、男性の起用が目立ち始めたという事なのだ。

味の素の小栗旬さん、同じく味の素の商品である「クックドゥ」の妻夫木聡 さんなどがある。
「クックドゥ」は、以前安田成美さんがお母さん役で登場し、その前はご主人である木梨憲武さんがお父さん役で登場していたが「料理をする」と言う内容のCMは、1本くらいだったように記憶している。
料理関係ではないトコロでは、花王のトイレクイックルのCMでは、おそらく要潤さん(オフィシャルサイトなどで確認したのだが、掲載されていない)がCMに出演している。

30数年前「私作る人、僕食べる人」というCMが、物議を呼んだがその頃に比べると随分と変わったものである。
今では、人気若手俳優さんが普通に調味料や日用品、しかもトイレ洗浄シートのCMに登場しても、何の違和感もなく受け入れられる様になったのだから。

このような人気若手俳優さん達が、これまで女性が主役と考えられていたようなテレビCMに登場するようになった背景には、家族内での役割分担が以前とは大きく変わりつつあるからだろう。
実際、「育児休暇取得」に関する調査 (出典:讀賣新聞)などでは、「取得しにくい」と答えている男性がとても多い。
育児休暇取得を考えている男性は、思いのほか多いのかもしれないのだ。
実際、育児を手伝えるのか?家事をするのか?と言うコトではなく、意識の変化に注目すべきだと考えるべきだろう。

共働き世帯が増え「できる人がする」という緩やかな家事分担が、自然になってきているのかもしれない。
となれば、手軽に本格中華が楽しめる調味料や、チョコチョコっと思い立ったら拭き掃除ができるトイレ洗浄シートなどは、家事をラクにしてくれる道具となるはずだ。

既に「会社員の夫・専業主婦の妻・子供2人」という世帯は、国の「統計上モデル」となりえても、現実は大きく違ってきている。
「統計上モデル世帯」的発想から、現実世帯を企業が見始めたと言うことなのではないだろうか?
その意味で、妻夫木さんや要潤さんのCMは、今の日本の「家族の肖像」のようにも見えてくる。



変貌する「コンビニ弁当」

2008-05-20 12:41:45 | マーケティング
毎日新聞のWEBサイトにヘルシー幕の内弁当:糖尿病にやさしく、1食497キロカロリー--ローソンが販売と言う記事が掲載されていた。

これまでの「メタボ対策」とは違い、既に糖尿病になってしまった人を対象とした「コンビニ弁当」だ。
考えてみれば、成人病になっている社会人は多い。
本当は多くては困るのだが、実態としては「高血圧・高脂血しょう・糖尿病」などの生活習慣病を持ちながら、仕事に邁進している人は多い。
その様な人たちにとっては「メタボ対策」では、意味がない。
まして、生活習慣病には「厳しい食事制限」がつきものだ。
お昼が外食と言う場合は、本当に食事そのものに困っていると言うのは本当だろう。
お弁当持参といっても、営業職の人にとっては無理な場合も多い。

今やコンビニ弁当は、「地方名産」や「こだわりの素材」、「ローカロリー」など、手を替え品を替えで、市場の掘り起こしを図っている。
これまでのような「ガッツり系」や「女性向」だけでは、コンビニそのものの差別化が図れないからだ。
それだけではなく、温かい作りたて持ち帰り弁当専門店やオフィス街に出向くワンコイン弁当屋さんなど、オフィスランチ市場を対象としたビジネスは活況を呈している。
当然、それに勝ち抜くための方策が必要となってくるのだ。

これからコンビニ弁当は、どのように変貌していくのだろう。
「健康志向」といっても、ダイエット・ローカロリー・多品目・生活習慣病別など、イロイロ考えられる。
もちろんこれまでのような、「ガッツリ系」や女性を対象とした「プチ弁当」、産地限定や「名古屋飯」のような地方食のお弁当なども、ますます充実してくるのではないだろうか?

ただ問題は、コンビニ弁当の廃棄率をいかに減らすかと言うことだろう。
多目的・多品目を指向すればするほど、無駄が増えてしまう可能性が高いからだ。
そして、お持ち帰り専門のお弁当店やオフィスランチを提供している、飲食店などもこの「成人病対応ランチ・弁当」は、アリだと思うのだ。