日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

企業と株主-ライブドア事件-

2006-03-14 21:57:47 | ビジネス
今日、ライブドアの前堀江社長を含めた前幹部及び法人としてのライブドアが起訴された。
今回の起訴は、粉飾決算によるものだ。
先月末から、個人株主を中心に「被害者の会」も結成されはじめている。
「嘘の情報によって、株を購入し損害を負った」というのが理由なのだが、なんとなくこれまでの「悪徳商法」の「被害者の会」のよう同情を感じられない。
確かに「粉飾決算」は、企業としてやってはいけないことだ。
公開されていた「嘘の決算報告」を見て、どれだけの人がライブドアの株式を購入したのだろうか?というのが、疑問なのだ。
なんとなく、昨今の株ブームに乗って話題の企業だから購入した、という人のほうが多いような気がするのだ。
「ライブドア」と言う企業を、育てたいと言う思いで株を購入していた人にとっては、裏切りだったと思うのだが、そのような思いをもって株主となった人は、果たしてどれだけいるのだろう?という疑問なのだ。

株式運用の基本は、あくまでも運用者の自己責任。
今回の被害者の会は、その原則を壊してしまうのではないだろうか?
むしろ、そのような危惧をしている。
起訴と言うことで、損害賠償の対象となるのかも知れない。
それは、法律上問題のないことだろう。
でも、ビジネスはそれだけでは成り立たないのではない。
法律を守ることは、当たり前のこと。
株主として、企業を育て社会の一員として良い方向へと導くのも、責任なのではないだろうか?

ライブドア事件では、粉飾決算理由のひとつとして「時価株価」にこだわった言われている。
その為、「黒字決算」が至上命令となり「粉飾決算」に突き進んだとすれば、本業であるインターネットビジネスの充実ではなく、安直な?株式分割によって資金調達をすることもいとわないかったということになる。
それが「ボクは、どうすればよかったのですか?」という堀江容疑者の言葉に繋がるのだろう。

ライブドア事件は、株ブームにひとつの問題を提起したのではないだろうか?
それは、株主になる意味だ。
株の売買を繰り返し、短期的利益を求めたり、話題の企業で買いやすいからと言う理由では、単なるマネーゲームに参加しているだけだ。
「株主として、企業ビジョンを見極め企業を育てる」と言う株主が、個人株主に求められるのではないだろうか?