お家騒動？－一澤帆布かばん－

時々ニュースチェックをしている静岡新聞のＷＥＢサイトに、一澤帆布がかばん製造休止と言う記事が、Ｕｐされていた。

「一澤帆布かばん」といえば、京都の老舗人気かばん店。
ある意味、「帆布かばん」というブランドを確立した企業と言える。
小さな工房で、帆布と呼ばれる布製のかばんを家内工業的に作っていたことは、有名な話。
それを雑誌「クロワッサン」等が取り上げ、オシャレで知的な人たちが持つかばんとして人気を博した。
２０年位前のことだったのでは、ないだろうか？
そのかばん店の創業者から、代を引き継ぐに当たって起きたのが今回の騒動の発端だったようだ。
その当事者の一人である「一澤帆布加工所」のＨＰには、これまでの経過が詳しく掲載されている。

考えてみれば、このようなことは小さくても力のある企業であれば、起こりうる問題ではないだろうか？
兄弟仲が良い悪いと言う問題と言うよりも、誰がブランドを引き継ぎ発展させるのに適任か？という問題である。
「一澤帆布かばん」という既に確立したブランドだけで、商売をしようとするなら今後の発展は難しい。
だからだろう「一澤帆布」は、様々なアプローチをお客様にしていた。
「老舗」に甘えるのでは、ブランドの維持はできない。
それは、一時期ブランド力を失ったファッションブランド「グッチ」等の復活劇などをみれば、よく分かる。

それだけではなく、このような騒動がブランドを傷つけ、工房で働く人たちのプライドも傷つけると言うことだ。
「ブランド」は、市場との信頼の約束である。ということを常々拙ブログで書いてきた。
その「ブランド」をめぐる争いこそ、市場を裏切る行為のひとつでもあるのだ。
誰が社長となるのが適任なのか？それは、既に市場が答えを出しているような気がするのだが・・・。