笑いまみれ・はなこば日記

笑うことを積極的に考える女の日記
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魅力を語ろう 漫才師アンタッチャブルについて

2009年09月09日 | テレビ
ひさびさにこれやります。
今日はわたしが関東現役NO1漫才師だと思っている
アンタッチャブルをフィーチャーいたします。
まだまだ書きたいことがあったのに、
長い長いことになっています。
まあ暇つぶしのときにでも読んでよねぇ。

アンタッチャブルは
異常にいい加減なひとと
異常に怒るひとの個性が
美しくぶつかり合う、
すばらしい漫才師です。

だからはっきり言って
ネタなんてどうでもいい。
どうでもいいなんて失礼じゃない!
ごめんなさい。
真意はこうです。
ネタの構造やアイディアや設定などは
彼らの根本的な面白さには関係ないのです。
ふたりが話してさえいれば。
それで十分。
個性の融合が
ふたりの話術がすばらしすぎるのです。

漫才の真骨頂だと思います。
M-1新世代が主流の今では、
あんまり見ないスタイルです。
しかも、
彼らにはスタイルそのものへの意識をあんまり感じません。
ふたりがただ話しているだけに見える。
コント設定に入るのに、
それでさえ、コントをしてまっせ!というふうには見えない。

だから彼らの漫才やコントは非常に説明しにくい。
話しているふたりの特徴を書くぐらいしかない。
「考えてきましたよ!」というふうに見えず、
その場その場で毎回あたらしく面白い。
「あーこのネタね」って思わない。

先週シカゴマンゴを聴いて、
リスナーが作成したネタをイベントで披露したアンタッチャブルですが、
わたし個人の意見では
全組のなかで一番ネタと本人たちがぴったり合わさっていると思いました。
「それっぽい」「なるほど」「成立するよね」「クオリティが高い」
という感想はそれぞれ出場した組に感じたことですが、
アンタッチャブルだけは、リスナーの介在を感じなかった。
ここまで書くと「天才?」なんてお思いでしょうが、
そうではなくて、
リスナーのネタに山崎さんのアドリブ入れまくっていた。
とのこと。

な~んだ。

いえいえ。そういうことではないんです。
わたしはむしろそうであって、
ぜんぜんかまわないのです。
たぶん他のコンビやトリオも足したり引いたりしていたはずです。
アンタッチャブルのネタ、ひいては全部の芸人さんのネタに対して
「それっぽい」なんて無意味なことです。
「っぽい」の本人がやってどうする。「おー」て感心されて何?
笑わさんかい。
それが人のネタだろうが自分のネタだろうが、一番の目的は笑わせるってことです。
(他人の要素が必要かどうかはまた別の話。というかどっちでもいい話)
・・・そんなこといっちゃあ、
あのイベントの主旨が台無し・・・。
ですけれども、ザキヤマさんがそれを意識的にやったのか
無意識だったのかは知りませんが(たぶん無意識)
なんかそういうところ
「漫才師」だなぁ~
ってうなりました。

常々漫才師は
場の空気を制する「味と間」を持つコンビが好きだと公言しております。
アンタッチャブルにはそれがある。
たぶん、この世代のなかで私の漫才師No1かもしれません。
漫才に限ってね。
ブラマヨ、サンド、中川家も大好きですけど、
漫才に限ると断然アンタッチャブルです。
ふたりを見るだけでいいって漫才って、若い世代ではあんまりない。
そして見飽きない理由も
ネタに執着していないせいだ
と上記のイベントを通じて分かりました。

今回2本DVDを見ました。
ひとつめは、「爆笑オンエアバトル」のアンタッチャブル編。
M-1で注目されたあと、
出したくさいDVDで初期のころのネタがいっぱい入っています。
柴田さん24歳。
若い。
ツッコミとして芸の完成度がすでに高いです。
今とあんまり変わりません。
一方、ザキヤマさんはキャラを模索してたんだと分かります(笑)
ちょっと男前(きどり←ひどい)です。
やせていて筋肉オシな気配があります。

「自殺」というコントが入っています。
偶然同じビルから飛び降りようとして、
屋上で出会った男ふたりが、
どっちが先に飛び降りるかで揉めるという筋書きです。
超面白いです。
面白さの度合いが漫才とさほど変わりません。
コントなので、一回素に戻って「まてまて」とかはないですし、
だからこそ「自殺」っていう重いシチュエーションが
アホな会話に活きて素晴らしいネタなんですけど、
面白さの肝がふたりのやり取りってところが、
漫才とコントの差をまったく見せない。
なんだったら、センターマイク見えます。

アンタッチャブルってこの頃から断然素晴らしかったのだ。
と思い出して嬉しくなりました。

もうひとつは「山崎弘也とゆかいな仲間たち」という名の
2006年に行われた人力舎の全国ライブ模様と裏側を収録したもの。
わりと最近よく見るハンバーガ屋のネタを見ました。
あらためてすごいなぁ。
お客さんを完全に巻き込んでいる。
漫才の中にコントを挿入する手法はダウンタウン以降に確立したもの
と上方演芸の本に書いてありましたが、
まさに彼らのネタにはダウンタウンからの影響が見られます。
でもね、そんなことはもう関係なくなっている。
ふたりの個性がぶつかることで、
唯一無二のライブな漫才になっているんです。
あの場あの瞬間に輝くふたりだけの空気感を持っている。
お客さんを巻き込む感じとか、二人の雰囲気とか
テンポとか間とか
生で見る価値のある漫才です。
こういうのグルーヴ。
というのでしょうか。

ここでは山崎さんのキャラが完全に確立されており
いい加減さが暴れまわっています。
このパワフルなボケとパワフルなツッコミ。
いま、単体で注目されることの多いふたりですが、
やっぱ一緒じゃなくちゃね。
だってザキヤマさん節は、
ほんとにイライラするもの(笑)。
柴田さんが叱り飛ばしてくれなきゃ。

ちなみにこのDVDはザキヤマ仕切りで
ツアーの裏側を紹介しているのですが、
こういう部分において、キャラのブレが垣間見えます。
仕切り下手なんでしょうね。
まだまだ発展途上にある。もっと面白くなる可能性がある。
そこもまたこのコンビの魅力です。

優勝した2004年のM-1について、
わたしははっきり言って納得しておらず(過去ログあった
むしろ2003年でしょ。
と思っているのですが、
優勝するだけのコンビだったんだと改めて今思います。
いつまでも漫才を続けていてほしいです。
こうなってくると
5年後、10年後ますます楽しみ。

M-1は、
2005年のブラマヨで一気に新世代に加速がつき、
決勝戦出場コンビがタレント化するなど
M-1の歴史が大きく変わりました。
あのときから、
いやそのまえからすでに
M-1は漫才の大会ではなくなっていた。
M-1は「M-1」という大きな一大イベントであり、
あの舞台上では漫才という名を借りた特殊なネタを
披露する場になりました。
ひょっとすると、
「M=漫才」という認識下において
リアル漫才を披露した組として
アンタッチャブルが最後の
漫才師王者
なのかもしれません。

それでは今日はここまで。
長いこと読ませてしまって
失礼しました。
つたないところなど、
最近多い誤字脱字も含め、ご迷惑をおかけいたしますが、
今後ともどうぞよろしく。

…意味のないことで字数をまた増やしてしまった。
ご、ごめんよ。

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