平成がもうすぐ終わる。
平成はきんさん、ぎんさんの時代だったかな。
「冬のソナタ」の時代だった。
サザンオールスターズ、そしてAKB48の時代だった。
もうひとつオマケにラーメンの時代でもあった。
ごくありふれた日常の食べ物で、近所のおばさんが買い物帰りにネギの入ったレジ袋をさげて、ちょっと寄って食べていくか。
といったような気楽な食べ物だった。
出前を取るにしても、天丼やカツ丼よりもはるか下の、どちらかというと見下げられてた食べ物だったといえる。
平成に入ってラーメンの周辺の事情が一変した。
ラーメンの名店といわれるものがあちこちに乱立して、ラーメンは行列して食べるものになった。
横浜には名所旧跡にも値する観光スポット、ラーメン博物館というのも開館した。
名店のカウンターにはラーメン通、ラーメンの大家、ラーメンの巨匠、鉄人、達人などの強者たちが居並ぶことになった。
客たちはまずスープを一口すすって首を大きく振って頷き、さらに二、三度小さく頷き、参りましたというふうにガクンと首をうなだれる。
芸の細かい客は、まず麺をズルズルすすって飲み込んだあと小首をかしげ、しばらく考え込むようなフリをしたあと急に大きく首を振って、「そうか、そうだったのか」
考えが甘かった、勉強が足りなかった、と天を仰ぐのだ。
平成の時代はそういう時代だった。
篠寛大田店の塩ラーメン
平成も終わりになって、ラーメンはだいぶ鳴りをひそめてきた感がある。
ラーメンを話題にすることが当時に比べると少なくなったような気がする。
テレビのグルメ番組でもラーメンを取り上げることが少なくなった。
正月番組の定番、大間のマグロの行末もこうなるのか❓
それにしても、ラーメンは平成という一時代を泳ぎきったのです。
ラーメンの実力を侮ってはいけないのである。