経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

購買の動機付け

2008-09-28 | 新聞・雑誌記事を読む
 日経ビジネスの前号に、映像処理チップで急成長している米・エヌビディアに関する記事が掲載されています。その中で、CEOのファン氏が語っていること。

我々は、自分達をパソコン向け半導体の企業とは考えていない。
「ビジュアルコンピューティング」の技術を提供する会社だ。
半導体の設計はもちろん、・・・開発ツールに至るまで、すべてをビジネスとして捉えている
その観点において、半導体だけにフォーカスしている他の企業とは明らかに違う。
消費者は半導体を買いたいわけではない。
「楽しみたい」というのが、購買の動機付けになる。
ビジュアルコンピューティングにおいて、映像を描画する機能はあくまで要素の1つにすぎない。・・・


ユーザに支持され、伸びている企業は、こういう捉え方をしていることが多いように思います。提供する商品そのものの機能のみにフォーカスするのではなく、その商品が全体の中でどのように作用するものであり、ユーザはその商品を使って何を求めようとしているのか
結局のところ知財サービスも同じで、クライアントは出願代理やら特許調査やらを買いたいわけではない。自社に有利な事業環境を作り出して収益力を強化したい、というのが知財サービスを受けようとする動機付けであり、より有利な事業環境を作り出すためのサービスを提供する、そういう捉え方をしておくことが必要なのだと思います。