医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

実験動物の白血病に対するビタミンCの寛解作用について 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-01-31 17:10:09 | 健康・病気

 白血病AKR/Jオスマウスに対するビタミンCの延命効果
6週令のマウスにビタミンCを飲料水に250mg(%)入れ、実験の終了までずぅーと飲ませました。
対照はただの飲料水を飲ませ、脾臓重量250mg以上のマウスのみ、白血病で死亡した、と認められました。ビタミンC投与群の防御効果は、生存時間が対照の48週に比べ、ビタミンC群では72週で長いようでした。表(省略)からビタミンCの白血病に対する延命効果が明らかに認められました。

白血病SJL/Jオスマウスに対するビタミンCの延命効果
6週令のマウスに、ビタミンCを飲料水に250mg(%)入れ、実験の終了までずぅーと飲ませました。対照はただの飲料水を飲ませ、胸腺重量100mg以上、脾臓重量250mg以上のマウスのみが白血病で死亡した、と認められました。また、表(省略)から対照に比べて、ビタミンC投与群では、白血病に対する延命効果が認められました。

ビタミンCの白血病進行抑制作用
表(省略)は、白血病ウイルスを接種されたマウスに、ビタミンC入り飲料水と対照としてただの飲料水を与え、実験終了後、脾臓の重量を測定したものであるが、ウイルス接種による脾臓の肥大は、ビタミンC投与群で抑制され、白血病の進行が抑制されました(P<0.001)。

白血病の発症は、AKR/JマウスやSJLマウスの系統で起きやすく、それらの系統では、生後8ケ月からウイルスが原因であることが明らかなリンパ性白血病になりやすく、SJL系統は、通常8ケ月から細綱腫(90%)になる危険率がきわめて高く、それが進行します。また、ウイルスとの因果関係はSJLの場合、立証されていません。また、ビタミンCを投与したAKR/Jマウスは、対照に比べ、進行ガンの白血病の全体的減少が証明されました。ビタミンCで治療したSJL/Jマウスは、70週で50%生存していました。対照は、50週で50%生存していました。なお、白血病と違う他の原因で死亡した全マウスは、すべて除外されました。これらの結果から、ビタミンCの大量投与は、抗ウイルス作用を示し、リンパ性白血病などウイルスが原因のガンにも有益である、と考えられます。

References

藤井毅彦:ガンと栄養、日本ビタミンC研究会、1979年

J. N Counsel et al: VitaminC. Applied Science Publisher. 1982

A Hank et al: VitaminC. Hans Harber Publisher. 1982

藤井毅彦:ガンを予防し、治すビタミンC療法、日本ビタミンC研究会、1982年

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肺ガンマウスに対するMgイオンとCaイオン混合物、およびビタミンCの効果について 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-01-31 13:50:06 | 健康・病気

アリソン博士とフェルル博士は、リンパ球のガン細胞破壊作用を研究し、MgイオンとCaイオンが免疫能を高め、ガン細胞を破壊することを報告しています。そこで、トーマス博士らは、乳がんマウスの飲料水にMgイオンとCaイオンを入れ、ガン細胞の増殖と生存時間を測定しました。

5~6週令のC3H/HEJマウスを用い、飲料水にCaグルセプテイト、硫酸MgおよびビタミンC錠をそれぞれ、0.36mg/ml, 2.0mg/ml, 1.0mg/mlの濃度で入れ、投与し続けました。標準食を与えてから2週間後、そのマウスの肺がんの切片を奪管針で接種し、生存時間とガンの大きさを統計学的に処理・分析しました。

結果は対照に比べ、MgイオンとCaイオンの混合群、ビタミンC群とも延命効果が認められ、ガンの大きさは対照に比べ、MgイオンとCaイオンの混合群、ビタミンC群とも縮小が認められませんでした。MgイオンとCaイオンの混合物の大量投与は、リンパ球とガン細胞をしっかりと結び付け、免疫能を高めるのに必要で、ミネラル栄養サプリメントなどで体内貯留を高めておくことは重要ですが、糖尿病などで腎臓が悪いガン患者などは、ミネラルの大量摂取は禁忌です。なお、現在、ガンのビタミンC点滴療法では、MgイオンとCaイオンの混合物(マイヤーズカクテル)の混注も実施されているようです。

しかしながらビタミンCの投与量はPauling博士らの大量投与(10g/日)より、はるかに少ないですが、マウスのガンに対してもビタミンCを補給することは、いくらかメリットがあるようです。カルダン博士とグ―スイ博士らは、壊血病のモルモットにビタミンCを投与すると、著しく長い生存時間を示すことを発見し、ビタミンCが免疫能を高め、ガン細胞に作用する可能性が強いことを、示しています。しかし、ビタミンCのガン幹細胞自壊作用は、実験的に証明されていませんが、これを証明する研究がひそかに行われているという、情報を得ています。

Reference

G.Thomas et al: Journal of Surgical Research . Volume27, November 1979

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ガン治療に於けるビタミンCの役割について 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-01-30 22:25:55 | 健康・病気

ビタミンCは間質物質の統合性を維持し、リンパ球と免疫能力を高め、ステロイド代謝を改善し、ヒアルロニダーゼを阻害します。また、その抗ウイルス作用、抗細菌作用、それにガン患者のビタミンCが枯渇する性質などにより、ガン患者には大量のビタミンCが必要です。

Deucher博士は、放射線療法を実施したガン患者に、短期間、4g/日のビタミンCを投与し、いくらかの臨床上の改善を報告しています。Huber博士らは、ビタミンCと他のビタミンを併用し、0.5~2g/日を毎日投与し、末期がんとすべてのガンに寛解を認めています。Meyer博士らは、多くの末期ガン患者の補助療法に、点滴でビタミンCナトリウムを投与し、著しい改善がガン患者の大部分に認められたことに確信を持ちました。

ガンー宿主バランスにおける好ましい傾向をもたらす上記結果は、末期ガンの寛解にまで、この治療法を拡大させます。また、ビタミンCの適切な摂取は、米国では、毎年、それだけで約15,000~20,000人を救い、ガン発生率とその死亡率を約10%減らすに違いないと予測されています。

予防面では、ビタミンCが宿主抵抗性を高めるため、臨床がんの出現率を著しく減少させるはずで、確定したガンでは、良好な予後をもたらします。また、いろんな治療法の補助療法としても、それらの作用を強めたり、副作用の軽減に有益です。そして、末期ガンにおいてもいくらか改善がもたらされる、と報告されています。

References

Cameron. E.: Chemi-Biol, interactions. 9(1974)

藤井毅彦: ガンを予防し、治すビタミンC療法、日本ビタミンC研究会、1982年


ビタミンCの免疫系刺激作用について その一  日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-01-30 15:55:37 | 健康・病気

ビタミンCは疑いもなく、免疫反応と同様、感染に対し自然に備わった抵抗性の機構に作用することが、示されています。そして、ビタミンCは顆粒球と大食球の化学走性を高めます。また、免疫反応に及ぼすビタミンCの作用に関しては、感作性過度の遅延の誘導(細胞免疫性)に必要であることが、研究により明らかになりました。

in vivoでの研究では、ビタミンCの大量投与は、モルモットでのヒト細胞培養狂犬病ウイルスに対し免疫能を高めます。バー二ック博士らは、ヒト細胞狂犬病ワクチンの2倍の効果は、ワクチン単独投与群より、ビタミンC(体重10mg/kg)+ワクチンで治療したモルモットのグループで、もっと効果があることを示しています。また、死亡率では、ワクチングループ65%,ワクチン+ビタミンC(10mg/kg)47%、対照100%でした。なお、ビタミンCの量を増やすと(100mg/kg)、35%にまで死亡率が低下しました。すなわち、ビタミンC大量投与群は少量投与群より免疫能強化作用が優れているが、少量投与群でも、幾分か細胞培養狂犬病ワクチンの免疫能を改善します。したがって、各種ウイルス疾患のワクチン療法にビタミンC療法を併用すると、ワクチンの免疫能を改善せしめると考えられるので、ビタミンCの併用が推奨されています。

また、ポ二ッシュ博士らは、ビタミンCによるin vivoとin vitroでの細胞免疫応答の免疫相乗作用を確認しました。ビタミンCは生理学的血清濃度では、in vitroでポ―クウイードの有糸分裂に刺激された末梢血液リンパ球(PBL)3HTDRの利用を著しく高め、ある条件下では、用量作用形態での蛋白質合成を著しく高めることが、わかりました。また、蛋白質合成の増大は、PMMでもっとも明らかで、他の有糸分裂、抗体、それに増殖PBLでも明らかで、相当する細胞に及ぼすビタミンCの直接的作用と同様、準母集団の特殊性の可能性も考えられます。このようにビタミンCは免疫系強化作用がいろんな研究で報告されているので、ガンやウイルス、それに細菌など免疫が関係する疾患対策として、常用が勧められています。

Reference

藤井毅彦:ガンと栄養、日本ビタミンC研究会、1979年

 

 

 


低ビタミンC 血症の老人病患者に対するビタミンCの効果について 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-01-29 23:53:54 | 健康・病気

スコラム博士らの研究によると、経口によるビタミンCの効果が、低ビタミンC血症の長期入院の老人病(老年病)患者118名で試験され、ビタミンCを1g/日、28日間投与すると、プラセボに比べて、臨床上の改善と体重増加が認められました。年齢は男女とも59歳から97歳で、ビタミンCとプラセボとも外観、味とも見分けがつきませんでした。

被験者の平均体重変化(kg)は、総数では、ビタミンC群は+0.54、プラセボ群は-0.24、女性では、ビタミンC群は+0.74、プラセボ群は-0.66でした。

投与一か月後の臨床上の変化は、活発さでは、ビタミンC群では改善度++と+が13名、プラセボ群では+が8名、周囲に対する関心度は、ビタミンC群では改善度++と+が8名、プラセボ群では改善度+が5名、食欲は、ビタミンC群では++と+が5名、プラセボ群では+が2名、活発さと関心度は、ビタミンC群では++と+が15名、プラセボ群では+が8名でした。

これらの結果から、老人病特有の精神症状(欝症状など)や臨床症状などの回復が、僅か1g/日のビタミンCの経口摂取でもたらされることは、特筆すべきことです。更なる研究の積み重ねを期待しています。なお、当方の小数の被験者での調査でも同じ傾向が認められました。今後、日本国も老齢人口が急増し、老人病も増加するので、その対策にもビタミンCは有益と、考えます。

Reference

C J、スコラム: The Lancet、Feburary 24,1979

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