外国のいろんな研究者らによると、ミオイノシトールを多く含む食事は、糖尿病による神経障害を有する糖尿病患者の神経機能に、有益な効果を有することを発見しました。ミオイノシトールを多く含む食事グループでは、重大な副作用は認められず、ミオイノシトール(ビタミンB8)を豊富に含む食事は、2型糖尿病による神経痛を改善できる証拠になることを、意味しています。また、イノシトールは、その抗炎症作用故、神経障害性疼痛の緩和に利用できますが、帯状疱疹後神経痛の神経障害性疼痛へのイノシトールの作用については、現在、ある私立の研究機関で研究がなされています。良い知らせを待っています。
次に、N-アセチルシステイン(アミノ酸系栄養成分、NAC)は、酸化ストレスと神経毒性から、神経の健康を守ることにより、末梢神経障害に有益です。Jiajie Li博士らの研究によると、NAC(N-アセチルシステイン)は、CCI(慢性狭窄損傷)により誘発されたマイクログリア(中枢神経系グリア細胞の一種)活性を阻害するが、アストロサイト(中枢神経系に存在するグリア細胞の一種)には注目すべき作用は見いだせませんでした。これらの結果は、マトリックメタロプロテナーゼの活性の強力な阻害により、神経障害性疼痛を臨床的に軽減するのに用いる、効果的で安全なアプローチであることを、証明しています。
Virginia大学では、NACは、慢性神経障害性疼痛へのオピオイド療法(麻薬性鎮痛薬)への有益な補助療法となるという仮説を出しています。Serena Notartomaso博士らによると、NACは、GLu2メタホトロピックグルタメイト受容体の活性化により、齧歯類とヒトでの痛みの閾値を高め、糖尿病性神経障害による疼痛を緩和する、と報告しています。更なる研究が待たれます。なお、帯状疱疹後神経痛へのNACの鎮痛効果は、現在、ある研究機関で研究中です。朗報を待っています。
References
The ultimate guide to taking inositol(vitaminB8) for nerve pain. Nerve Pain Guide
Jiajie Li, et al. N-acetyl-cysteine attenuates neuropathic pain by suppressing matric metalloproteinases. Pain. 2016 Aug;157(8):1711-1728
The role of NAC as an adjuvant to opioid tratment in patients with chronic neuropathic pain. Clinical Trials. gov
Serena Notartomaso, et al. NAC enhances pain threshold in rodent and humans by activating in Glu2metahotropic glutamate recepters. PubMed. gov