Pauling博士らの研究によると、早期癌や中期癌患者に対するビタミンC大量投与では、患者全員が生存していることから、ガンの早期にビタミンC療法を実施することが重要であることが、示唆されます。また、かなり以前、福岡鳥飼病院の森重福美医師らは、同様の臨床研究を実施し、ビタミンCを5~9g/日、投与患者と10~29g/日、投与患者では、その効果が著明で、1g以下/日、投与群と30~60g/日、投与群では効果が少ないようでした。1g以下/日の投与群は投与量が少な過ぎ、30~60g/日の投与群は、容態のより悪い患者群に投与したため効果が少ないようでした。
ベイルオブリーベン病院の肺癌に対する研究では、125名の肺がん患者の内、14名は放射線療法、17名は化学療法、24名はビタミンC療法でした。一方、70名は疼痛を抑える麻薬以外には治療されませんでした。治療不能の肺がんで入院した日からの平均生存期間は、それぞれの群では、184日、90日、187日、68日でした。なお、ビタミンC投与群の一人は、1846日以上生存し続けています。また、ビタミンC投与群は、生存期間が有意に延長されています。
神岡鉱山病院の山口医師は、31名の末期ガン患者の内、6名にビタミンCを5~30g/日、投与し、6名に0.5g~3g/日、投与しました。なお、対照患者は19名でした。末期認定日からの
平均生存日は、対照では48日、5-30g/日、投与群の6名は115日で対照の2.4倍でした。
対照群では98日以上の延命患者はいず、ビタミンCの5~30g/日の投与群3名(50%)は98日以上で、その平均は158日でした。その投与量の1名は膀胱がんで、延命日数は215日で、さらに生存し続けています。ビタミンC大量投与群では対照に比べ、延命効果が認められ、統計学的にも有意でした。また、鎮静効果も対照に比べ、認められました。従って、ビタミンCの大量投与群では麻薬をあまり使わなくてよく、ビタミンCには、麻薬の習慣性を弱める働きもあるようです。
References
Ewan Cameron, Linus Pauling: Cancer and VitaminC, Warner Books,1979
藤井毅彦: ガンを治すビタミンC療法、日本ビタミンC研究会、1980年
藤井毅彦:ガンの予防し、治すビタミンC療法、日本ビタミンC研究会、1982年