医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

ガンのビタミンC療法に対する考察とその展望について その二 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-01-21 23:14:22 | 健康・病気

Pauling博士らの研究によると、早期癌や中期癌患者に対するビタミンC大量投与では、患者全員が生存していることから、ガンの早期にビタミンC療法を実施することが重要であることが、示唆されます。また、かなり以前、福岡鳥飼病院の森重福美医師らは、同様の臨床研究を実施し、ビタミンCを5~9g/日、投与患者と10~29g/日、投与患者では、その効果が著明で、1g以下/日、投与群と30~60g/日、投与群では効果が少ないようでした。1g以下/日の投与群は投与量が少な過ぎ、30~60g/日の投与群は、容態のより悪い患者群に投与したため効果が少ないようでした。

ベイルオブリーベン病院の肺癌に対する研究では、125名の肺がん患者の内、14名は放射線療法、17名は化学療法、24名はビタミンC療法でした。一方、70名は疼痛を抑える麻薬以外には治療されませんでした。治療不能の肺がんで入院した日からの平均生存期間は、それぞれの群では、184日、90日、187日、68日でした。なお、ビタミンC投与群の一人は、1846日以上生存し続けています。また、ビタミンC投与群は、生存期間が有意に延長されています。

神岡鉱山病院の山口医師は、31名の末期ガン患者の内、6名にビタミンCを5~30g/日、投与し、6名に0.5g~3g/日、投与しました。なお、対照患者は19名でした。末期認定日からの
平均生存日は、対照では48日、5-30g/日、投与群の6名は115日で対照の2.4倍でした。
対照群では98日以上の延命患者はいず、ビタミンCの5~30g/日の投与群3名(50%)は98日以上で、その平均は158日でした。その投与量の1名は膀胱がんで、延命日数は215日で、さらに生存し続けています。ビタミンC大量投与群では対照に比べ、延命効果が認められ、統計学的にも有意でした。また、鎮静効果も対照に比べ、認められました。従って、ビタミンCの大量投与群では麻薬をあまり使わなくてよく、ビタミンCには、麻薬の習慣性を弱める働きもあるようです。

References

Ewan Cameron, Linus Pauling: Cancer and VitaminC, Warner Books,1979

藤井毅彦: ガンを治すビタミンC療法、日本ビタミンC研究会、1980年

藤井毅彦:ガンの予防し、治すビタミンC療法、日本ビタミンC研究会、1982年

 

 

 


ガンのビタミンC療法に対する、考察とその展望について その一 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦 

2014-01-21 19:02:39 | 健康・病気

スコットランドのベイルオブリーベン病院では、Cameron医師とPauling博士が共同研究を開始し、ビタミンCを10g/日、投与末期ガン患者100名と、ビタミンCを投与しない患者1000名を比較対照とし、それらのガン患者は、年齢、性別、ガンの種類、病状がつり合いがとれていました。

この研究結果では、ビタミンC投与群患者は、対照患者に比べて、平均10ケ月ほど長生きしました。これらの患者で一年以上生存した患者は、100人のビタミンC投与群では22名、1000名の対照群では、僅か4人でした。また、2年以上の生存者は、ビタミンC投与群では5名でした。他方、対照群は、すべて死亡しました。

ビタミンC投与群では気分が良くなり、一般症状も改善され、かつ、腫瘍増殖の抑制が認められ、骨転移による疼痛の緩和、悪性滲出液の蓄積率の低下、悪性黄疸の改善、呼吸困難の軽減、赤血球沈降速度の低下、血清ムコイド濃度の減少などが認められました。

しかし、ベイルオブリーベン病院での研究は、ガンが進行した、末期にビタミンC投与が行われたので、大多数の患者にとって結末は不幸でした。病状の改善が一定期間続いた後、ガンが再び悪化し、死亡しました。2、3の患者では、良好な状態と腫瘍増殖の抑制が一定期間続いた後、坂道を転げ落ちるように急速に末期状態に陥り、2、3日で死亡しました。また、ある患者では、10g/日、6ケ月間の服用で抑えられていたガンが、ビタミンCの服用を中止した後、再燃しました。ところで、なお、もっと早期のガンにビタミンCが投与されていたら、もっと良い結果がでた、と推測されます

10g/日のビタミンCの10日間の経口投与で抑えることができませんでしたが、20g/日の10日間のビタミンCナトリウムの点滴と、続いて12.5g/日の経口投与を続けることにより、再度、抑えることができました。なお、ビタミンCの点滴はより効果を高めるようです。また、これらの症例のポイントは、以前のこのブログで紹介しています。

ところで、メイヨ―クリニックのモーテル博士らは、ビタミンCの短期経口投与でガンの寛解を確認できませんでしたが、研究デザインに問題が有り、ポーリング博士が生のデータの閲覧を要求しましたが、拒否されました。そして、New England Journal of Medicine誌も以後、査読者を世界各地に増やしたので、投稿者の内、約一割しか掲載されないようになった、とインタ―ネットは報じています。

References

Ewan cameron, Linus Pauling: Cancer and VitaminC, Warner Books, 1979

藤井毅彦:ガンの予防し、治すビタミンC療法、日本ビタミンC 研究会、1982年

藤井毅彦:ガンと栄養2、日本ビタミンC研究会、1981年

筆者の栄養医学ブログは、ブログアドレスnutr-blog.blogspot.comとblog.goo.ne.jp/h35p39の両ブログで発信しています。